禁油品とは
バルブや配管などに、油分が残留しないよう、洗浄・脱脂処理(禁油処理)が施された製品のことです。
流体に油分が混入するのを防ぐため、または汚染や発熱などのリスクを避けるために求められます。
禁油品が求められる理由
油分が混入すると、流体やガスの性質変化、製造プロセスへの悪影響、または保安上の重大な問題を引き起こす可能性があるためです。特に以下の流体・ガスを扱う場合に重要となります。
【酸素】
油分に触れると、酸化反応により爆発や火災を引き起こす危険性があり、厳格な禁油処理が必須です。
【高純度ガス】
半導体製造などで使用される高純度ガスの場合、微細な油分すら不純物として嫌われます。
【薬品・純水関連】
衛生上の理由や品質保持のために油分の混入が許容されません。
禁油品の対応方法
通常のバルブや配管は、製造・組み立ての過程で潤滑油や防錆油、切削油などが使用されています。
禁油品は、これらの油分を洗浄剤(弱アルカリ洗浄剤など)や溶剤、純水などを用いて徹底的に除去する工程を経ており、製品によってその対応レベルが異なります。JISに明確な規定がないため、メーカーによって独自の基準が設けられており、大別すると以下の対応レベルがあります。
【準禁油品】
一般品と同様に組み立てられた製品において、流路部のみを後洗浄した製品です。
【禁油品】
バルブや配管などの接液部品において、洗浄などにより油分を除去した製品を称します。
【完全禁油品】
バルブなどの接液部品において、洗浄などで油分を除去した部品を組み立てた製品をいうことが多いです。
ミスミのクリーン洗浄品を用いた禁油対策
クリーン洗浄品はミスミメカニカル部品を洗浄した商品です。炭化水素系もしくはアルカリ系洗浄剤を用いた脱脂洗浄による油分除去を行っており、「禁油仕様品」としてのご利用が可能です。
●洗浄工程例(脱脂洗浄)
その他にも「精密洗浄」「電解研磨+精密洗浄」を選択いただけます。(詳しくはこちら)
・脱脂洗浄(TYPE:SL-□□)
作業環境:一般環境

炭化水素系洗浄
Ro水洗浄
中性洗剤洗浄

高圧ジェット水洗(Ro水)後に
純水(10MΩ・cm)で洗浄

エアブロー(オイルフリー)
使用

防錆袋使用
洗浄工程動画をこちらからご覧いただけます。
※YouTubeに遷移します
※精密洗浄の動画となります
●残留油分量測定(ボールバルブ サイズ10A)
・市販の禁油品とクリーン洗浄品の残留油分を測定・比較いたしました。
・残留油分は市販品同等以上の結果となり、クリーン洗浄品は禁油仕様品としてもご利用いただけます。
洗浄方法は利用環境に併せてお選びください。
【推奨洗浄方法】一般環境:脱脂洗浄 / クリーンルームなど:精密洗浄・電解研磨+精密洗浄
【測定結果】
| 製品 | 残留油分量(mg/cm2) |
|---|---|
| ミスミ(脱脂洗浄) | 0.024 |
| ミスミ(精密洗浄) | 0.012 |
| A社 | 0.077 |
| B社 | 0.085 |
| C社 | 0.026 |
※残留油分については参考値であり、これを保証値とするものではありません。
※測定条件:使用機器 OCMA-555H(HORIBA製)/溶媒 H-519(HORIBA製)
※測定時期:2025年11月
ミスミで購入可能な禁油品例
継手やバルブで多数取り揃えがございます。
ミスミサイトでの禁油品選定方法
ミスミサイトの絞り込み条件より、禁油品をご選定いただけます。

例
ボールバルブの禁油品はこちら









