熱可塑性プラスチックの射出成形は、熱力学的に考えますと、高温で溶融した樹脂を溶解した樹脂温度よりも低温の金型内へ射出注入して熱エネルギーを取り除いて固化させるプロセスをたどります。ということは、溶融した樹脂の熱エネルギーを取り除くプロセス如何によって、成形サイクルや出来上がった成形品の物性などをコントロールできるということにつながります。

 ある材料から、熱エネルギーを奪ったり与えたりする物資の特性の一つに、熱伝導率があります。熱伝導率は、一般にkで表記され、厚さ1mの板の両面に1K(1℃)の温度差がある時に、板の単位面積(1m2)を通じて1秒間に流れる熱量であらわされる特性です。一般には金属は熱伝導率が大きい傾向があります。熱伝導率が大きな物質は、短時間に熱を大量に伝達できる能力があるというわけです。

 主な物質の熱伝導率です。

物質名 熱伝導率k、0~100℃、単位:W・m-1・K-1
炭素鋼 50
ニッケル-クロム鋼 33
18-8ステンレス鋼 15
銅 403
黄銅 97
青銅 53
ニッケル 94
チタン 22
コバルト 22
アルミニウム 236
マグネシウム 157
亜鉛 117
錫 68
金 319
銀 428
モリブデン 139
水銀 7.8
タングステン 177
アクリル樹脂 0.2
雲母 0.55~0.79
紙 0.06
ガラス 0.55~0.75
グラスウール 0.04
氷 2.2
コンクリート 1
磁器 1.5
石綿 0.06
木材 0.14~0.18
羊毛 0.04
綿 0.03