金型を製作するためには、炭素鋼を中心とした鋼材が使用されていますが、最近の金型では、断熱の目的等で非鉄金属や非金属素材が使用されることがあります。金型を組み立てる際には室温で寸法調整をすることができますが、射出成形加工時には金型温度を下げたり上げたりしますので、部品が熱膨張(線膨張または体積膨張)することになります。膨張代を考慮しないと金型の作動が悪くなったり、部品が破損したりすることが考えられます。
素材の線膨張率は、下記のようなデータが知られています。
| 素材名 | 線膨張係数:単位 ×10-6/K、293K=20℃ |
| S55C | 11.7 |
| SKD11 | 11.7 |
| プリハードン鋼 | 11.5 |
| 18−8ステンレス鋼 | 17〜18 |
| ニッケル鋼 | 0.9 |
| 鉄 | 11.8 |
| ニクロム | 18 |
| 超アンバー | −0.01 |
| ジュラルミン | 23 |
| 銅 | 16.5 |
| 黄銅 | 18〜23 |
| 青銅 | 17.3 |
| チタン | 8.2 |
| 銀 | 18.9 |
| 金 | 14.2 |
| プラチナ | 8.9 |
| 錫 | 20 |
| 珪素(シリコン) | 2.6 |
| ジルコニア | 5.4 |
| ダイヤモンド | 1.0 |
| 炭素 | 3.1 |
| タングステン | 4.5 |
| 磁器 | 6.8 |
| 大理石 | 3〜15 |
| 煉瓦 | 3〜6 |
| ガラス | 9 |
| 石英ガラス | 0.5 |
| コンクリート | 7〜13 |
| アクリル樹脂 | 70〜90 |
| ベークライト | 21〜33 |

