金型は、量産のプラスチック射出成形に使用されるようになりますと、金型が完成した時の機能が徐々に低下してゆきます。機能の低下とは、具体的には摩耗によるバリ発生や部品の破損などのことです。
金型を含む機械設備の機能の低下のことを「劣化」と呼んでいます。
劣化には、大別して下記の3つのパターンがあります。(【表】参照)
【表】金型の劣化の原因とその対策
原因 | 内容 | 対策 |
---|---|---|
使用劣化 | 摩擦 破損(衝撃、疲労、クリープ) 腐食 誤操作 |
摩擦耗、潤滑 耐振動、振圧、潤滑 防食 フールプルーフ、人間工学活用 |
自然劣化 | 汚損(さび、ほこり)、狂い | 防錆、清掃、防塵、5S |
災害劣化 | 地震、火災、水害 | 耐水、保安 |
1. 使用劣化
摩耗や破損、腐食、オペレータの誤操作による破損など、金型の使用によって劣化する内容です。
2. 自然劣化
錆やほこり、残留オーステナイトによる金型部品の変形や狂いによって劣化する内容です。
3. 災害劣化
地震や火災、水害によって不測の錆発生や燃焼被害を受けて劣化する内容です。
金型の劣化は、完全には避けられませんが、的確なメンテナンス(保守管理)によって、劣化した機能を回復させることが可能です。