射出成形金型の可動側と固定側の位置ずれを防止するためには、ガイドポスト−ガイドブッシュを使用したり、「位置決めブロックセット」、「テーパブロックセット」を使用したりしています。
型板の「キャビティ取り付け用ポケット彫り込み位置」と「ガイドピン」、「ガイドブロック」の位置関係で考えた場合、可動側型板のみ若しくは固定側型板のみでは、位置精度が管理されていたとしても、可動側型板と固定側型板を合わせた場合には、相対的な位置精度が保てない場合があります。
このような不都合を合理的に解消するためには、「サイドストレートブロックセット」が有効です。
サイドストレートブロックセットは、型板を可動側と固定側を組み合わせた状態で、側面に取り付け用の溝または彫り込みをエンドミルや平面研削により加工し、取り付けをします。
したがいまして、可動−固定の型板の相対位置は、現物合わせにより正確に位置決めができます。
材質は、SKD11を使用し、硬度58〜62HRCと耐摩耗性に優れた仕様となっています。
コネクターや電子部品などの精密金型の位置決め部品としては、最適なパフォーマンスを発揮します。
欧米の事例では、既にさまざまな金型で採用されている部品の一つです。
電動式射出成形機などハイサイクルで金型の高速型開閉を行う金型では、このような精密位置決めを採用して、コアピンの折損防止や長寿命化を図ることは、理に適っていると言えるでしょう。