新しい素材を使用する場面では適切な取扱いに関する情報や知識が必要です。ここでは、炭素繊維と安全について解説します。
(1)炭素繊維の性状
・炭素繊維は、(1)細かいこと、(2)硬い、(3)折損しやすい、(4)浮遊しやすいなどの特徴のために、人体に対する安全のための対策が必要です。
1)毛羽や粉塵などを吸い込まないような局所排気を施すことが好ましい。<(1)、(3)、(4)の対処>(br /> 2)清掃を頻繁に行うことで、細かな炭素繊維の停留を少なくする。
3)皮膚などに付着した炭素繊維はこすらずに、水洗い・湯洗いで流し去ること。粘着テープを利用して粘着除去するのもよい。(【図1】参照)
4)目や吸引保護のために、保護めがね、マスク等の装着により目への付着や吸引を防ぐ。
目に入ったときは、コンタクトレンズは直ちに外し、清浄な流水で洗眼(15分間以上)。
(炭素自体は生体適合性が良い材料です)
・炭素繊維は、(5)導電性、(6)難燃性の特徴から、事故防止の対応が必要です。
5)電気的短絡を防止するため、結線部分を暴露状態にしないこと。
6)短絡事故が製品品質に影響を及ぼす場所とその近くでは、炭素繊維がでる作業を控える。
7)炭素繊維を吸引凝集しないため、電気掃除機は使用しないこと、ファンが付いているPCなどは使用を控えるかカバーして使用するなどの処置を取る。
8)廃棄分類は「廃プラスチック」で処分する。