ボタンダイ
- パンチ&ダイの表面処理とは パンチ&ダイの表面処理とは、ショットピーニングや窒化処理による母材自体の表面改質や、その上に薄い硬質膜(コーティング)を乗せることで、耐摩耗性を飛躍的に向上させ長寿命化を実現する技術です。ミスミではお客さまのプレス環境の変化に合わせてさまざまな下地処理やコーティングをパンチやボタンダイに施してきました。お客さまの課題に最適な表面処理を選定することでメンテナンス工数やトータルコストを大幅に削減することが可能です。
- カス上がり対策逆テーパダイとは 部品軽量化の流れで高張力鋼板(ハイテン材)などの引張強さが高い材料の打抜きが近年増加しています。一般的にハイテン材は、抜きカスの収縮量が大きく[図1]、せん断面の長さは短くなるため[図2]、従来の対策ではカス上がりが抑制出来ないケースが増加してきています。 そこでミスミでは、抜きカスの収縮量を考慮したテーパをダイ内部に施した逆テーパダイを開発しました。微小なテーパを付けることで、収縮したカスでもダイとの摩擦力が発生し、カス上がり対策に効果を発揮します。
- カス詰まりの要因 カス詰まりの要因として、一般に下記の点が挙げられています。 ダイ刃先のストレート部が長過ぎる 裏逃げ形状が不適切(逆テーパ形状になっている) ダイ内面の表面粗さが粗い ダイ、バッキングプレート、ダイホルダの穴の芯ズレにより段差が生じている 抜きカスが重なり棒状に連なって落ちる際に、逃し穴内でつかえる カスが磁気を帯びる 特に薄板材の抜きや小穴抜き等では、抜きカス重量が軽いため、些細な障害をきっかけにカス詰まりが生じ易いと考えられます。 カス詰まりボタンダイ(SVシリーズ)について 1)カス詰まり対策ボタンダイの原理と特長 カス詰まり防止の一つの考え方として カス排出の抵抗(カス詰まりの要因)<カス排出力+抜きカス重量 とすることが挙げられます。
- プレス加工時のカス上がりは、製品不良や金型の損傷等の原因となり、大きな問題となっています。特に薄板の小穴抜きやダイとの拘束力が少ないサイドカットがカス上がりを起こし易いと言われています。 カス上がりの要因 カス上がりの要因は、バキュームによる吸着、パンチ切刃への吸着、油による吸着、パンチの磁力、ダイの圧縮空気による押上げ等と言われています。 また、一般的なクリアランスでは、抜きカス寸法のほうがダイの穴径よりも小さくなるためにカス上がりが発生し易くなります。 一般的なカス上がり対策 カス上がりを防止するためには、 パンチへの吸着力<ダイとの摩擦力+抜きカス重量 とすれば良いので、 1)パンチ側の対策 ・・・・・・刃先先端を加工(シャー角、突起)、エアブロー、ジェクタパンチの使用等 2)ダイ側の対策 ・・・・・・バキュームによる吸引、刃先内面の面粗度を粗く、切刃の微小面取等