工具材質の特性
切削工具材質の特性
ハイス(高速度鋼)は、靱性は非常に高いですが硬度が低く、またダイヤモンド(PCD)は非常に硬いですが、その反面、靱性が非常に小さく欠けやすいです。超硬は、硬度と靱性の間のバランスがよくとれており、さらに切削時の高温許容度も高く、幅広く使用されています。前述のハイスは切刃温度が7〜800℃以下でないと使えず、そこで鋼をバリバリ切削するのは困難です。ダイヤモンド(PCD)も硬度が非常に高いですが許容温度から制限があり鋼をバリバリ切削できません。アルミニウムのように切削熱の上らない素材を高速で切削します。
切削工具材質の3大特性(3つのバランスが重要です。)
(1)耐摩耗性・・・(摩耗しにくい性質)
(2)靱性・・・(欠損しにくい性質)
(3)高温硬度・・・(高温で硬さを保ち、化学的に安定している性質)
工具材質別に見た3大特性
- 耐摩耗性:V(バナジウム)の影響が大きいです。
- 靱性:Mo(モリブデン)の影響が最も大きくC(炭素)が増えると靭性を低下させます。
- 高温硬度:Co(コバルト)の添加で、高温硬さが増します。
- 研削性::V(バナジウム)が増えると極端に研削性が悪くなります。
ココミテvol.2より参考