[2023/10/16公開]
Question
バーリング加工でのタップを教えて
バーリング加工でタップをたてる指定があったのですが、どのようなタップを使用すればいいですか?
Answer
バーリング加工に使われるタップは被削材の延性特性から、塑性加工のロールタップが使われることが多くあります
以下に(1)バーリング加工 と (2)ロールタップ の説明をいたします。
バーリング加工
塑性変形が可能な材料に強度を持たせるため、パンチでフランジを立たせる加工です。
バーリング加工例
- 薄板にタップを立てる技法として事前にバーリングを行う方法があります。板厚がネジピッチ3山に満たないとネジ強度が十分でないため、バーリングでフランジをたててネジの強度を確保します。
- バーリングパンチの径はタップの下穴から選定しますが、ロールタップと切削タップとでは下穴径が異なりますので、あらかじめ使用するタップを選定してその下穴に合わせることが必要です。
メートルねじ(切削タップ使用時の下穴表)
メートルねじ(ロールタップ使用時の下穴表)
ロールタップ
塑性変形させてネジをたてる工具ですので、バーリングしたネジ穴加工に多く使われます。
スパイラルタップなどの切削タップでも被削材の厚みがあれば可能ですがロールタップには、以下のような特徴があります。
ロールタップでバーリング部にネジ加工
ロールタップでの加工時のメリットは、
①塑性加工のため、きりこがほぼでません
②タップの芯径が太いので折損のリスクが少ないです
デメリットは、
①塑性変形しない素材には使用できません
②摩擦抵抗が大きいく硬い材料には向きません
ロールタップのネジ山は、
①ネジ山の頂点にシームと呼ばれるかえりができます
②ネジ山の側面部は塑性加工により生成されるのため
比較的きれいになります