いままで表面処理関係で行われている省エネルギー対策について述べてきましたが、最後に、地球温暖化の最重要項目となっているCO2について考えてみましょう。
CO2は、燃料の燃焼によって発生しますから、化石燃料である石炭、石油、天然ガスなどを多量に使用する発電所、製鉄所、石油化学工場などが、主な発生源でありますが、一般消費者である家庭や中小工場も、自動車やガス、電力などの消費で、CO2を発生させています。
電力について考えてみますと、【図1】に示すように、各種の燃料や発電方式によってCO2発生量は大幅に異なります。
これは発電量1kwh当りのCO2発生量を、グラム数で示したものですが、火力発電に較べて原子力発電がいかに優れているかが分かります。
現在、我が国の総発電量に占める原子力発電の割合は、40%を越えていますので、平均すると【表1】に示すようにCO2発生量は380g/kwhとなります。
【表1】は、各種エネルギーの平均CO2発生量を示したもので、各家庭や工場での燃料使用量にこの係数を掛ければ、容易にCO2発生量を計算することができます。
毎月、CO2発生量のチェックをこの表により行えば、エネルギーの無駄や生産方式の改善、CO2発生量の少ないエネルギーへの変換などの省エネルギー対策が、次第に明らかになってくるでしょう。地球温暖化防止のためには、地道な努力が必要です。