今回は、表面処理と省資源・省エネルギーについて考えてみましょう。
表面処理製品は省資源・省エネ製品
表面処理工程での省資源・省エネルギー対策を考える前に、そこで出来た製品を検討してみますと、表面処理製品そのものが省資源・省エネルギー製品であることが分かります。
例えば、巨大な構築物である瀬戸大橋などは、防食のために錆に強いといわるれステンレス鋼で作れば莫大な建設費を必要としますが、構造的に強いハイテンション鋼を使って、防食的には金属溶射や熔融めっきや重度の防食塗装などの表面処理を施すことによって、長期間(20年といわれています)のメンテナンスフリーを実現しています。
また、身近な自動車などにおいても、燃費向上・省エネルギーのために、軽量化が進んでおりますが、鋼鈑の板厚を薄くして軽量化を達成しております。その耐食性は亜鉛めっきや亜鉛合金めっきや塗装などの表面処理で補完されています。
鉄鋼は、我が国では年間約1億トン生産され、各種の特徴をもった工業材料として使われ、多くの鉄鋼製品を生み出しています。しかしこれらが、そのまま裸で使われることは殆どありません。構造的に強い鉄鋼は、非常に錆やすいのです。従って、鉄鋼のもつ機能を維持するための耐食性向上のために、溶融めっき、電気めっき、塗装、コーティング、溶射などの表面処理が実施されています。
このように表面処理というプロセスは、各種製品の省資源・省エネルギーを推進する有力な手段であるといえます。