(1)電気料金の仕組み
通常、表面処理の工場で支払う電力料金の内訳は、次のとおりです。
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この式の内容をもう少し詳しく説明しましょう。
(1)基本料金
基本料金は、電力会社との間に交わされた契約電力に対する料金で、電力を使用しなくても契約している以上支払わねばならない料金です。詳細は、次式で表されます。
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【表1】契約の種別と契約電力
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式中、契約電力とは、電力の使用規模に応じて設備する工場内の電気機械や、受変電設備の容量(トランスの容量KVA)や使用実績などで決まります。【表1】に、契約の種別と契約電力を示しました。
力率割引とは、電気機械や変電所(高圧側)の無効電力が少ないと、即ち力率が高いと基本料金を割引しましょう。力率が低いと割増しましょうというものです。割引・割増とも最大15%です。
(2)電力量料金の内訳
電力量料金の内訳は、次の式で表されます。
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これは、使用した電力量(KWh)に応じて支払う電力料金で、省電力によって最も低減できる電力料金です。単価は日本全国10電力会社別に定められています。
(3)燃料調整額
電力は、石油・原子力・水力などの1次エネルギーで生産されていますが、その殆どが輸入に頼っています。従ってこれらの価格変動や為替相場の変動によって、発電コストに大きな影響を与えます。それゆえ、これらの価格が上昇した場合には顧客に負担をしてもらい、価格が低下した場合にはその分を引きましょうというものです。
電力料金の仕組みについてお話しましたが、要は、電気機械や受変電設備を縮小すれば、契約電力を低減できて基本料金を減少させます。電気機械の高効率運転をすれば、電力量料金の低減が可能になります。