ストリッパガイドには、次のような役割があるといわれています。
- ストリッパでのパンチガイドを行うための、ストリッパの挙動を規制する
- 金型の動的精度を高める
- 金型の組立を容易にする
- メンテナンスを容易にする
などです。
しかし、これらはストリッパガイドの組み立て方によって変化します。
その一例を示したものが、【図1】、【図2】です。
【図1】は、ストリッパガイドを、パンチ・ダイの刃合わせ後に組み込む方法です。
ストリッパガイド使用初期の形といえるものです。高精度にプレート加工ができない時代に刃合わせした後に、デブコン(接着剤)でブシュを固定します。ストリッパの挙動と動的精度およびメンテナンスのしやすさなどに効果があります。
【図2】は、最近の金型組立の形といえるかもしれません。
プレートを高精度に仕上げ、最初にストリッパガイドポストおよびブシュをプレートに立て、ストリッパガイドを基準としてパンチ・ダイの刃合わせをします。このときに、ダイセット内にプレートが組み込まれていなくても、刃合わせはできます。刃合わせ後にダイセットに組み込むことも行われています。この方法では、先に示したガイドの役割全てが入っています。しかし、ガイドブシュ、ポストの組立方によって精度に差があります。必要精度に合わせて工夫が必要になります。例えば、ブシュの固定方法を圧入方式とするか、接着方式とするかなどによる違いです。標準部品にストリッパガイドの種類が多いのは、金型の求める品質に適したものを追い求めている結果かも知れません。
ストリッパガイドはできあがった形だけで機能を判断することは危険があり、ストリッパガイドポスト、ブシュの組立方から考えて使う必要があります。