【図1】は、高さ調節ユニットを金型に取り付けた状態を示しています。
ユニットは、調節レバーと調節ねじが一体化しています。調節ねじは調節こまが入ったプレートに取り付けられています。調節ねじを回すことで、調節レバーは前後に動きます。調節レバーの先端は斜面になっていて、その斜面に調節こまが乗っています。調節こまは斜面に押し付けられるように、引きバネで支えられています。
調節レバーを前後させることで、調節こまは上下します。上下量は、斜面の角度のタンジェントの関係となります。当たり前のことですが、斜面の角度を小さくするほど微妙な調整ができます。ただし、調節ねじの動かし量は大きくなります。調節が決まったときには、ロックねじで直接調節レバーを固定することが必要です。また、調節レバーの入るプレートの溝はがた無く、調節レバーが納まっていなければなりません。
調節機構は製品加工に伴うキャンバ(横曲がり)、面のそりおよび刻印等の深さ管理が必要なときに使われることが多いものです。金型はできるだけ調節部分が少ないことがよいです。しかし、やむを得ない状況もあり、対処方法として調節機構を使用します。調節の仕方は人によって微妙に違います。測定治具や限度見本等を用意して、個人差による結果の違いがでないように気配りをする必要があります。