LCA(ローコストオートメーション)におけるばねの設計対象は、ほとんどが圧縮コイルばねか引張りコイルばねです。この2種類のばね設計では、以下の項目が検討課題となります。ここではa)、b)、c)について解説します。
a) | 使用範囲におけるたわみ量とそのときのばね荷重:ばね定数 |
b) | ばねを設置する場所のスペース:長さx外形 |
c) | ばねの固定方法:ばねの両端形状と固定方法 |
d) | その他:ばねのへたり(永久変形)、疲れ |
(1)ばね定数とばね形状寸法の関係式
ばねのたわみと、そのときのばね荷重(力)の関係は、「圧縮コイルばねにかかる荷重と変形の関係(ばねの設計-3)」で解説した「フックの法則」があります。
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この「k:ばね定数」は、ばね材料特性とばね形状から、次式で表現できます。この式は圧縮コイルばね、引張りコイルばねの両方で使用できます。
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式(A)を変形させて、D(平均コイル径)、d(線径)、k(ばね定数)を仮に設定し、有効巻数:nを算出したり、既知のP、D、d、n値からたわみ量:δを求めるなどに利用できます。
(2)ばね長さ、外形の設計
ばね長さは「許容たわみ量」とばね荷重の関係から選定設計します。
「許容たわみ量」とは、ばねが伸びきって変形したり破損の可能性のある変形量です(【図1】参照)。