前回で「軽くて強い構造部材」の例で竹を紹介しました。この竹の中空構造が曲げの力に対して強いことを示す技術用語に「断面二次モーメント」があります。ここでは、この断面二次モーメントについて分かりやすく解説します。
(1)構造部材の強さの表現
強さの表現には次のような数種類の用語があります。
竹の場合は、節を持つ中空円筒構造のために大きな「剛さ」を持ち、また、円筒表面に近くなるほど緻密な組織構造となっていることから高い「靭性」も持っており、両者を合わせ持っていることから軽くて強い構造部材といえます。
(2)断面形状と曲げ強さ
棒状の構造部材を曲げようとする力に対して、曲がりにくさを示す技術用語として、断面二次モーメント(アルファベットのIで表記します)があります。この断面二次モーメントは構造部材の断面形状で変化させることが可能です。したがって、最適な断面形状で設計することで、軽量高強度な構造物が可能となります。
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