真空環境を利用する装置類は、機能薄膜の普及や高純度材料の使用用途の拡大などの理由で、急速に種類が増えています。従来の半導体関連装置やチップ構造の電子部品のほかに、液晶ディスプレイ、PDP表示装置などの材料真空注入装置、EL関連装置など、日本が優位にある平面ディスプレイ業界とも係わりが大きくあります。 【写真1】は超高真空度を実現させる、磁気軸受ターボ分子ポンプの断面構造モデルです。 |
(1)真空効果の活用法
次の2つが代表的な活用法です。
(1)物理的/化学的効果の活用
空気を除き酸素、窒素、水蒸気などによる化学反応の影響を抑えることや、吸着液体の蒸発促進などが主な狙い。
■応用例
真空蒸留、真空乾燥、真空蒸着、その他
(2)力学的効果の活用
大気圧との圧力差を力として利用する。
■応用例
真空チャック、真空含浸(注入)
(2)真空装置用の材料について
一般的な機械的強度、加工性、耐食性などのほかに、ガス放出速度やガス透過性などが材料特性として必要になります。
(1)真空用金属材料
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(2)プラスチック
プラスチック材料は放出ガスが多いこと、ガス透過性が高いため、容器当に使用する場合は材料選定には注意が必要。その他の部品用途としては多用されている。容器用としてはFRP(Fiber Reinforced Plastics)が好ましい。
(3)ゴム
真空用途としては合成ゴムが選定されます。フランジ部のシールが主な用途。超高真空用材料ではフッ素ゴムが使用されます。
(4)セラミックス
真空環境で使用する機械部品用材料として、SiN4、SiC、Al2O3、サイアロンなどが挙げられます。