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1. ボールねじの選定手順

基本的なボールねじの選定手順と必要な検討事項を以下に示します。

ボールねじ選定手順チャート

2. ボールねじのリード精度

ボールねじのリード精度はJIS規格による特性項目(ep、Vu、V300、V2π)で規定されます。
各特性の定義と許容値を以下に示します。
一般的には、ボールねじの代表移動量誤差が必要な位置決め精度の範囲内にあることを確認して、使用するボールねじの精度等級を選定します。

用語 記号 意味
代表移動量誤差 ep 代表移動量から基準移動量を引いた値。
変動 Vu
V300
V2π
代表移動量に平行に引いた2本の直線ではさんだ実移動量の最大幅で下記3項目で規定される。
ねじ部有効長さに対する最大幅
ねじ部有効長さの間にとった任意の300mmに対する最大幅
ねじ部有効長さの間にとった任意の1回転(2πrad)に対する最大幅
基準移動量 ls 呼び移動量(lo)に対し、温度上昇や荷重によって発生する変位分を補正した軸方向移動量
基準移動量の
目標値
t ねじ部有効長さに対する基準移動量から呼び移動量を引いた値。温度変化や外部荷重によるねじ軸の伸縮が考えられる場合に、変位分を補正して決めます。その値は実験又は経験により決定します。
実移動量 la 実際に測定された移動量
代表移動量 lm 実移動量の傾向を代表する直線。実移動量を示す曲線から、最小2乗法または簡単適切な近似法により求めた直線。

表1.位置決め用(C系列)の代表移動量誤差(±ep)と変動(vu)の許容値 単位:μm

ねじ部有効長さ
(mm)
精度等級
C3 C5
を超え 以下 代表移動量誤差 変動 代表移動量誤差 変動
  315 12 8 23 18
315 400 13 10 25 20
400 500 15 10 27 20
500 630 16 12 30 23
630 800 18 13 35 25
800 1000 21 15 40 27
1000 1250 24 16 46 30
1250 1600 29 18 54 35

表2.位置決め用(C系列)の300mmに対する変動(V300)よろめき(V2π)の規格値 単位:μm

精度等級 C3 C5
項目 v300 v2π v300 v2π
規格値 8 6 18 8

表3.搬送用(Ct系列)の300mmに対する変動(V300)の規格値 単位:μm

精度等級 Ct7 Ct10
v300 52 210

搬送用(Ct系列)の代表移動量誤差(ep)は ep=2・lu/300・V300 にて算出されます。

3. ボールねじの軸方向隙間

軸方向隙間は、一方向へ送る場合の位置決め精度の要因にはなりませんが、送り方向が反転する場合や軸方向荷重が反転する場合にバックラッシとなり位置決め精度に影響を与えます。
要求される位置決め精度に応じてボールねじの軸方向隙間を選定してください。

転造ボールねじ

種類 代表Type ねじ軸径 リード 軸方向すきま(mm) ねじ軸長(mm)
MIN MAX
コンパクトナット精度等級 C10 BSSC 8 2 0.05以下 100 400
10 4 150 600
12 4 150 800
15 5 0.10以下 150 1,200
10 200 1,200
20 5 200 2,000
10 0.15以下 250 2,000
25 5 0.10以下 200 2,000
スタンダードナット
精度等級 C10
C-VALUE
スタンダードナット
精度等級 C10
BSSZ
BSSR
C-BSSC
8 2 0.05以下 100 400
4*1 100 380
10 2*2 150 585
4 150 600
10*1 150 585
12 4 150 800
5*3 150 800
10 0.10以下 150 800
14 5* 150 800
15 5 150 1,200
10 200 1,200
16*4 200 1,200
20 200 1,200
20 5 200 2,000
10 0.15以下 250 2,000
20 0.10以下 250 2,000
25 5 200 2,000
10 0.20以下 300 2,000
25 0.12以下 300 2,000
28 6*3 0.10以下 250 2,000
32 5*4 0.20以下 300 2,000
10 300 2,000
32 0.15以下 300 2,000
ブロックナット
精度等級 C10
BSBR 15 5 0.10以下 150 1,200
20 200 1,200
25 200 1,500
15 10 150 1,200
20 0.15以下 200 1,200
25 0.20以下 200 1,500
スタンダードナット
精度等級 C7
BSST 8 2 0.03以下 100 380
10 4 150 585
12 4 150 795
15 5 150 1,200
10 200 1,200
20 200 1,200
20 5 200 1,200
10 0.05以下 250 2,000
20 0.03以下 250 2,000
25 5 200 2,000
10 0.07以下 300 2,000
C-VALUE
スタンダードナット
精度等級 C7
C-BSST 8 2 0.05以下 100 400
10 2 150 585
4 150 600
12 4 150 800
5 150 800
10 0.10以下 150 800
15 5 150 1,200
10 200 1,200
16 200 1,200
20 200 1,200
20 5 200 2,000
10 250 2,000
20 250 2,000
25 5 250 2,000
10 200 2,000
25 300 2,000
32 5 300 2,000
10 0.14以下 300 2,000
32 300 2,000

注釈

*1
BSSRのみの取り扱いになります。
*2
C-BSSCのみの取り扱いになります。
*3
BSSZの取り扱いはありません。
*4
C-BSSCの取り扱いはありません。

精密ボールねじ

種類 代表Type ねじ軸径 リード 軸方向すきま(mm) ねじ軸長(mm)
MIN MAX
スタンダードナット精度等級 C5 BSS 8 2 0.005以下 100 210
10 2 100 315
4 150 380
10 150 450
12 2 150 445
4 150 400
5 150 450
10 200 600
15 5 150 1,095
10 200 1,095
20 230 1,095
20 5 200 1,000
10 250 1,500
20 250 1,500
25 5 300 995
10 300 1,500
20 300 1,500
C-VALUE
スタンダードナット精度等級 C5
C-BSS 8 2 0.008以下 100 210
10 2 100 315
4 150 380
12 2 150 445
5 150 450
10 200 600
15 5 0.015以下 150 1,095
10 200 1,095
20 230 1,095
20 5 200 1,000
10 250 1,500
20 250 1,500
25 5 300 995
10 300 1,500
25 300 1,500
スタンダードナット
精度等級 C3
BSX 6 1 0
(予圧品)
80 205
8 1 80 255
2 100 240
10 2 100 310
12 2 150 390
5 150 440
15 5 150 590
スタンダードナット
精度等級 C7
BSSE 8 2 0.030以下 100 210
10 2 100 315
4 150 380
12 2 150 445
5 150 450
10 200 600
15 5 150 1,095
10 200 1,095
20 230 1,095
20 5 200 1,000
10 250 1,500
20 250 1,500
25 10 300 1,500
20 300 1,500

リード精度の選定例

<使用条件>
・ねじ軸径 φ15 リード 20
・ストローク 720mm
・位置決め精度 ±0.05mm/720mm
<選定内容>
使用条件に適合するボールねじのリード精度を求め精度等級を選定してください。
①ねじ部長さの検討
ストローク+ナット長さ+余裕量=720+62+60=842mm
* 余裕量とはオーバーラン対策の量で通常はリードの1.5~2倍程度に設定します。
リード20×1.5×2(両端)=60
②リード精度の検討
表1.より、ねじ部長さ842mmに対する代表移動量誤差±epの許容値を求めます。
C3・・・±0.021mm/800~1000mm
C5・・・±0.040mm/800~1000mm
③リード精度の決定
使用条件の位置決め精度±0.05mm/720mmを満足するのは、C5等級(±0.040/800~1000mm)のねじが適切であることがわかります。

軸方向隙間の選定例

<使用条件>
・ねじ軸径 φ15 リード 5
・許容可能なバックラッシ量 ±0.01mm
<選定内容>
表5.より、ねじ軸径φ15では軸方向隙間が0.005mm以下であるC5等級が許容可能なバックラッシ量±0.01mmを満足できることがわかります。

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