LSR(液状シリコーンゴム)は、加硫ゴムを代替する軟質素材として廃棄物環境対策や人体安全性の観点から注目されている素材です。
 この素材は、原材料コストが高いために高付加価値成形品には使用されるものの、一般的な安価な成形品には使用されにくい傾向がありました。
 しかし、環境対策コストや安全性が重要視される社会が到来した結果、液状シリコーンゴムの採用はヨーロッパを中心に急速に普及が進みつつあります。

 液状シリコーンゴムは、成形サイクルタイムが熱硬化性樹脂であるにもかかわらず、比較的短く加工採算性が良好です。また、加硫ゴム圧縮成形ではバリ処理が必須であったものが、バリレス成形が可能であるので、二次加工コストのコストダウンを図ることができます。
 また、寸法安定性も良好です。

 LSR成形用金型は、下記のような特殊な金型ノウハウを採用する必要があります。

  1. 金型は150~180℃の範囲で、できるだけ精密にコントロールする必要があります。
  2. 成形品がコアに密着しやすいので、離型対策を講ずる必要があります。
  3. 充填不良が発生しやすい部分を充填するために、真空吸引を採用する場合があります。
  4. ランナー部の温度が上がりすぎると金型内で反応固化する場合があるので、ランナー部は冷却構造を必要とする場合があります。
  5. 冷却構造を採用する際には大気中水分の結露が発生する場合があるので、耐食構造が必要になります。
  6. 金型温度が高いので熱膨張対策が必要になります。

■LSRの採用例

  • 医療用具
  • ディスポーザル容器類(点滴、カテーテル等)
  • 食器類パッキン
  • 哺乳瓶乳首
  • コピー機ロール
  • OA機器用シール部材
  • 機械部品用弁