DLCコーティングとは、ダイヤモンド・ライク・カーボン(Diamond Like Carbon)という、最近実用化がはじまった金属硬質皮膜のことです。
DLC皮膜の成分は、非晶質カーボンで、非常に硬く、耐摩耗性に優れています。
皮膜硬さは、HV3000〜4000で、窒化チタン(TiN HV1500〜2000)、超硬合金(HV1500〜2000)、硬質クロムめっき(HV900から1200)、工具鋼(HV500から1000)と比較しても、相当な硬さであることが分かります。
耐磨耗性も良好で、摩擦係数も大変小さな値を示します。
対薬品性も良好です。
コーティング皮膜の表面は、平滑であるために離型性も改善されます。
コーティングプロセスは、専用の炉の中に被加工物を取り付け、CH系ガス雰囲気中でプラズマ状態でコーティングします。
出来上がった皮膜の表面は黒色で光沢があります。
金型の摺動面や磨耗しやすい部分への新しいコーティング皮膜として将来性が検討されはじめています。
具体的には、
- ガイドピン
- エジェクタピン
- センターピン
- スライドコア
などです。
的確にこの皮膜を使いこなすためには、母材との親和性、前処理工程などのノウハウの蓄積が必要になります。
はじめてこの処理を採用する場合には、コーティング処理メーカーと綿密な打ち合わせを実施して、所望の効果が得られるようにすることが重要です。