プラスチック射出成形金型は、射出成形機に取り付けられて使用されますが、金型を成形機に取り付ける仕様は各成形機によって異なっているのが現状です。
一方、JISでは「プラスチック射出成形機の金型関連寸法」について推奨標準規格を規定しています。(JIS B 6701-1992)
今後、日本国内で生産される一般的な射出成形機については、この規格が参照されるようになると考えられます。
今回から数回にわたって、この規格について紹介を行いたいと思います。
1つだけご留意をお願いしたい点は、実際の金型設計にあたっては、使用予定の射出成形機の金型取付仕様を最終的な判断情報として第一優先で考えてほしい点です。
JIS規格は、あくまでも推奨の標準規格であり、射出成形機の特徴や個性によって、規格内容が変更されている場合もあり得ますので、この点を記憶に留めておいてください。
<JIS B 6701-1992>
「プラスチック射出成形機の金型関連寸法」
(1)適用範囲
この規格は、型締力が196〜7845kN(20〜800tf)のプラスチック射出成形機の金型取付寸法等について規定されています。
解説
射出成形機の各部の名称は、【図】に示す通りです。(これらの名称は、この規格の説明において単純に名称を示しているだけであって、各部の形状や構造を示すものではありません。)
具体的には、下記事項について規定されています。
- タイバーの間隔寸法
- 金型取付ボルト
- 金型取付穴の配置
- 押出しロッド(エジェクターロッド)穴の配置
- 射出ノズルの先端形状
- ロケートリング用穴形状