ピンポイントゲートブシュ−内径テーパタイプは、ピンポイントゲートの二次ランナー先端部の形状を、テーパ形状に設計したゲートブッシュです。
従来のピンポイントゲートの二次ランナー先端部の形状は、SR形状(球状)になっている場合が大半でしたが、成形加工するプラスチックの種類によっては、ゲートが切断される際に、ゲート切断状況が「むしれ」を生じたり、「へそ残り」が生じたりする不安定な切断になる場合がありました。
特に、PMMA(メタクリル酸メチルエステル、アクリル樹脂)やポリカーボネート、シクロヘキサンなどの透明樹脂のゲート切断で困っている事例が多くありました。
このような樹脂の成形加工では、内径テーパタイプを採用しますと、切断状況が改善される方向にあります。
レンズ、プリズム、導光板、反射板などの透明な成形品で、ピンポイントゲートを使用される場合に最適なゲートブシュになります。
ゲートブシュの外形はB寸固定タイプ、B寸指定タイプ、ツバ付きの3種類がございます。金型の構造によって、適宜選択をしてお使い頂けます。
ゲート先端部の切れ味は、成形品の品質、ゲートかすの発生など、量産成形加工での現実的で悩ましい問題と密接な関連があります。切れ味の改善対策について、定量的な技術データを得ることは大変困難ですが、ゲート形状の改善や成形条件の調整(保圧、保圧時間、冷却時間、樹脂温度、金型温度、金型開閉速度など)でクリアーされる事例が多いようです。
ピンポイントゲートブシュ−内径テーパタイプはそのような場合にお使いいただき、ゲート切れ改善のノウハウ獲得に役立てて頂ければと思います。