ここでは、空気式アクチュエータ用空圧回路のトラブル事例とそれらの対策を解説します。

 空気式アクチュエータは電磁弁、速度制御弁などの空圧回路部品を用いて、エアーシリンダの駆動タイミングや速度制御を行います。しかし、空気式アクチュエータは簡便に利用できる長所がある反面、初期設計のまずさや保全の不備により、空圧回路周辺でのトラブルが頻繁に生じています。空圧回路部品も小型化や省電力化の傾向にあり、電磁弁や速度制御弁などの内部構造が精密で複雑かしているため、その対策は重要になっています。下記にトラブル事例と対応策を解説します。

(1)空圧回路の取付位置や方向の不適切について

トラブル内容
解説
対策案
電磁弁トラブル例
(【図1】参照)

エアーシリンダの応答性変動(遅れや誤動作)
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内部しゅう動部の粘着力増大が作動遅れを生じる(低ワット化で顕著化)
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連続通電による温度上昇でしゅう動部が乾燥し固着により作動不良
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ドレンやオイルが電磁弁内部で空気流路をふさぎ応答性不良
  1. 横方向の衝撃や振動を避ける取付
  2. 水滴や結露、油滴、切粉などを直接かけない
  3. エアーフィルタ設置
  4. 長時間使用は放熱対策
速度制御弁トラブル例
1)
エアーシリンダの速度制御が効かなくなる
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内部の弁の駆動部に異物(シール材かす、錆)がはさまり弁の動きが不安定になる
(シールテープの使用法;【図2】参照)
  1. 配管前のフラッシング(圧縮空気で内部異物を吹き飛ばす)
  2. フィルタ取付部以降の配管内異物除去(シール材、配管ねじの切粉)
2)
エアーシリンダの速度が一時的に遅くなる
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速度制御弁のニードル部にドレンやオイルが一時的に入り込み、抵抗が大きくなりロック現象を生じる
  1. ドレン、オイルの定期的除去
  2. 速度制御弁を高い位地に取付け入りにくくする
  3. 速度制御弁はエアーシリンダの近くに取付ける
エアーフィルタトラブル
(【図3】参照)

エアーフィルタの目詰まりによる圧力損失・流量不足
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エアーフイルタは水滴、油滴、錆などの固形物は除去できるが、水蒸気やオイルミストは除去されず通過し、酸化などでカーボンやタールになる
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過剰な不純物は目詰まりを生じ、空気の供給量が低下する
  1. フィルタはエアーシリンダの近くに取付け、以降の配管内部の温度変化を避ける(温度低下は結露・水分吸引を生じる)
  2. 定期的にドレン抜きなどの保守管理
  3. 見える場所に設置し異常の顕在化
  4. 差圧計で定量管理(正確度を要する場合)

■用語解説

ドレン・・・・・・空気式アクチュエータや空圧回路、配管内にある水や油水混合液 オイルミスト・・・工場のエネルギー源に使用される空気中に含まれる細かい油の粒子

【図1】電磁弁(ソノレイド型)のトラブル例

【図2】シールテープの処理法

【図3】エアーフィルタのトラブル例