非常に多くの機構部品や駆動ユニットで構成される大規模自動機の設計の場合、我流の設計の進め方では色々な問題が後から出てきます。CAD設計に変化したことで、昔の手書き時代の製図の苦労は無くなりましたが、それでも安易に全体設計に着手するとまとまらなくなります。大規模自動機の設計の進め方の要点を解説します。
大規模自動機の全体設計とサブユニット設計
・規模の大小に係らず自動機は次のような機能分割が可能です。
・大規模自動機の全体設計は、(1)設置レイアウト情報、(2)全サブユニットの駆動的繋がりを維持させるための配置設計、(3)制御系の仕様統一の指示程度とし、不要な複雑設計に入らないことがポイント。
・全体設計の重要な点は大規模自動機のルール設定です。外部製作の場合は装置仕様となります。
・例えば、全てのサブユニットの作業高さの統一/最大高さの制限や各ユニットを制御する信号系の統一など。
・この全体設計のルールが設定されていない場合、例えば、ユニット間のPLC制御仕様が統一されずに全体制御が出来ないなどの問題が生じます。(複数の外部製作ユニットのPLCメーカーが異なるなど)
・詳細の設計はサブユニットに分割しそれぞれの組立図の設計を進めることがポイント。
・このサブユニットに分割して部分組立図を設計する時点で、(1)標準化、(2)短納期化、(3)低価格化、(4)メンテナンス性等の考えを具体的に設計に盛り込みます。
・サブユニットの設計でも、1図面の過度の複雑化を回避するため、加工部品の点数を最大で50点程度を1単位としてブロック分割し、詳細設計を進めることが大規模設計のポイント。
・写真の駆動部品の寿命試験機の場合、駆動機構ユニットと操作盤・架台ユニットの2つに分割して詳細設計を進めています。