自動機は多くの部品の組立による機構ユニットと駆動ユニット、センシング・制御ユニット等で構成されます。この様な複雑な構成を持つ自動機の信頼度の高い設計について解説します。
・「信頼度」とは、JIS用語として定義された技術用語で、系、機器、部品などが、与えられた条件で、規定の期間中、要求された機能を果たす確率と定義されています。
・「信頼度」は自動機を構成する全ての組立部品の信頼度の掛け算(直列モデル)で表現されます。
・信頼度は部品数の掛け算で低下するため、個々の部品の信頼度を上げることよりも部品数を減らすほうが効果は上がります。
例:
*部品の信頼度が90%のものを10個組立てた自動機の信頼度 R=0, 910=0.35 と非常に低い
*10個の部品の信頼度を93%に向上させた場合 R=0.9310 =0.48
*部品点数を2個減らして8個にした場合 R=0.98 =0.43
*信頼度が99.9でも部品点数が1000個の装置になると R=0.9991000=0.368 と低い
*人工衛星などの信頼度100%を要するシステム設計には、直列モデルではなく並列モデルなどの冗長性を持つ設計を採用します。
・組立機構ユニットとセンシング・制御ユニットの主な故障要因は下表です(◎は特に高い比率)。
・上表より、信頼度の高い自動機設計のポイントは、部品点数を少なくすること、特にセンサー類の数を極力少なくすることがポイント。
・信頼度の高い設計と稼動期間中に保全しやすい設計(これを接近性の良い設計と言います)が重要。