ヘルメットの形状と機能
保護帽の使用区分
保護帽は使用区分によって、構造・機能が異なります。作業内容にあった適切な保護帽をお選びください。
使用区分(種類) | 構造 | 機能 |
---|---|---|
飛来・落下物用 | 帽体、着装体およびあごひもをもつもの | 飛来物または落下物による危険を防止または軽減するためのもの |
墜落時保護用 | 帽体、着装体、衝撃吸収ライナーおよびあごひもをもつもの | 墜落による危険を防止または軽減するためのもの |
飛来・落下物・ 墜落時保護用 |
帽体、着装体、衝撃吸収ライナーおよびあごひもをもつもの | 飛来物または落下物による危険および墜落による危険を防止または軽減するためのもの |
飛来・落下物用 電気用※ |
帽体、着装体およびあごひもをもつもので、帽体が充電部にふれた場合に感電から頭部を保護できるもの | 飛来物または落下物による危険を防止または軽減し、頭部感電による危険を防止するためのもの |
飛来・落下物用 墜落時保護用 電気用※ |
帽体、着装体、衝撃吸収ライナーおよびあごひもをもつもので、帽体が充電部にふれた場合に感電から頭部を保護できるもの | 飛来物または落下物による危険および墜落による危険を防止または軽減し、頭部感電による危険を防止するためのもの |
※使用電圧7000V以下
保護帽の材質比較表
帽体の材質によって特性が異なります。適切な材質の保護帽を選択してください。
帽体の材質\性質 | 耐燃・ 耐熱性 |
耐候性 | 耐電性 | 耐有機 溶剤性 |
備考 | |
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熱硬化性 | FRP製 ポリエステル樹脂を ガラス繊維で強化したもの |
◎ | ◎ | × リベット穴 より通電 するため |
○ | 耐候性、耐熱性は特に優れるが耐電用としては使えない |
熱可塑性 | ABS製 アクリロニトリル ブタジエン・スチレン |
△ | △ | ◎ | × | 耐電用には優れるが高熱環境での使用は不向き |
PC製 ポリカーボネート |
○ | ○ | ◎ | × | 耐候性はABSより優れている | |
PE製 ポリエチレン |
△ | ○ | ◎ | ◎ | 有機系の薬品を使用する作業に最適 |
◎特に優れている ○優れている △やや劣る ×劣る
保護帽の交換の目安
使用期間の長くなった保護帽は、安全のため、異常が認められなくても交換をおすすめします。
材質 | 交換の目安 |
---|---|
FRP製(熱硬化性樹脂) | 使用期間5年以内 |
ABS、PC、PE製(熱可塑性樹脂) | 使用期間3年以内 |
着装体 | 使用期間1年以内 |
産業用保護帽(作業用ヘルメット)
飛来・落下物や墜落時、転倒時の頭部への衝撃を吸収して頭部の損傷を防ぐ保護帽です。
特長
- ツバが透明、軽量、防暑対策や目を保護するシールド面など機能性を重視した製品も増えています。
用途
・土木・建設現場での飛来・落下物に。
・車両・倉庫の積み荷の上からの転倒・転落保護に。
・電気作業などの感電の危険のある場所に。
・労働安全衛生法で定められた危険な場所での作業に。
各種名称
帽体、着装体は衝撃を受けた時に適度に変形・破損を起こして衝撃を吸収します。
仕様
・保護帽の種類は、厚生労働省の型式検定により2種類あります。
・飛来・落下物用(帽体、着装体、あごひも付)土木、建築現場などで頭上から落ちてきた時に頭部を保護します。
・墜落時保護用(帽体・衝撃吸収ライナー着装体・あごひも付)作業現場で墜落・転倒時の危険から頭部を保護します。
・それぞれの保護帽には電気用を兼用するものがあります。
・電気用…電気作業、電線がある現場で、使用電圧7000V以下で感電の危険から頭部を保護します。
帽体と着装体などの全体で衝撃を吸収し、頭部を保護します。
ヘルメット名入れについて
ヘルメットはマーク加工やライン加工・社名加工ができます。
・元になるヘルメットを選んでください。
・各方向から見た加工デザインを確認してください。
・ラインの数、テープの種類(普通/反射)、色、幅を確認してください。
・その他の指示(マーク・ネームなどでサイズ指定)がないかを確認してください。
ここポイント! |
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・作業環境に適した材質・構造・形状を確認してください。 ・FRP樹脂製 耐候性、耐熱性に優れますが、耐電用としては使えません。 ・ABS樹脂製 耐電性に優れますが、高熱環境での使用は不向きです。 ・PC樹脂製 ABSより耐候性、耐熱性に優れています。 ・PE、PP樹脂製 有機系の薬品を使用する作業に最適です。 ・色を確認してください。 ・使用期間が長い保護帽は異常が認められなくても新しいものと交換してください。 交換の目安は、ご使用開始後FRPの保護帽は5年、ABS・PC・PE・PPの保護帽は3年です。 ・着装体の交換は、同一メーカーの同一型式の部品を使用してください。(交換の目安は1年) |
ココミテvol.2より参考