スクロールチャック
主に旋盤で工作物の保持に使用する手締めチャックです。
爪は分割爪タイプと一体爪タイプがあります。
また、3爪以外にも4爪もあります。
※このイラストの爪のタイプは一体爪タイプの内爪です。
特長
- すべての爪が同時に同じだけ動く仕組みになっているので、容易に被削材(ワーク)の中心を出すことができます。
① 上部爪のみ交換が可能で取扱いが容易です。
② 生爪が使用でき、ワークに応じた成形が可能です。
内爪と外爪
内爪
シャフト材の外径把握やパイプなどの内径把握に使用します。
外爪
フランジなどの外径把握に使用します。
分割爪と一体爪
分割爪
下部爪と上部爪はボルトにより着脱が可能です。
一体爪
内爪と外爪を作業に応じて入れ替えて使用します。
- 把握する被削材(ワーク)の大きさや形によって適したチャックやチャックサイズが異なります。把握する被削材(ワーク)を確認して、把握範囲(mm)を選んでください。
- 爪の種類を確認してください。分割爪タイプと一体爪タイプがあります。
生爪
工作機械のチャックに取り付けて、機械部品などの加工物をつかむ工具です。
特長
- 材質は一般的にS45Cです。
- 既製品の硬爪と違い、被削材(ワーク)の形状に合わせて、形をバイトなどで削り加工することができます。
汎用旋盤、NC旋盤、マシニングセンターなどで使用されるスクロールチャック、油圧・エアチャックの交換爪として使用します。
チャック各部名称
パワーチャック(油圧・エア式)用生爪は、ジョウナットにジョウ取付ボルトで固定します。段取り替え時のジョウナットの共用では爪の取り替えに時間がかかりすぎるため、あらかじめ次の交換用爪にジョウナットをセットしておき、差し替えのみで爪の交換ができます。
- チャックのメーカー名を確認してください。
- チャックの型式を確認してください。
- 生爪の種類を確認してください。(標準爪、小径爪、幅広爪、高爪があります。)
生爪成形ホルダ(チャックメイト)
生爪を被削材(ワーク)の形状に合わせ、成形する時に生爪の精度を出すために使用する治具です。
特長
- 爪外周ピン穴を支点にするため、芯振れ精度が向上し、把握力が増大します。
- 従来では通り抜け成形、張りチャック成形ではサイズに合わせたリングを作成する必要がありましたが、ピンがスライドする長穴形状のため、その必要がなくなりました。
従来の成形と生爪成形ホルダの違い
図1~3は従来の成形方法です。最も多い図1の場合、芯金をつかんだ時と被削材(ワーク)をつかんだ時の生爪の力の支点の違いにより生爪が前スキ状態となり、芯振れ、把握力減少を引き起こします。(図4)
生爪成形ホルダ使用により、図1~3の成形はもとより、被削材(ワーク)をキャッチングした時と同じ状態で成形ができるため、芯振れがなく、把握力も増大します。(図5)
- 使用チャックのタイプを確認してください。
- 使用チャックサイズ(インチ)を確認してください。
- 止めピンサイズ(mm)を選んでください。
※チャック生爪の座グリ穴径(止めピン呼び径)になります。
生爪成形ホルダ(ジョーロック)
生爪を被削材(ワーク)の形状に合わせ、成形する時に生爪の精度を出すために使用する治具です。
特長
- 無段階微調整により生爪消耗を最小限に抑えます。
- 小型把握の生爪成形に非常に便利です。
- 生爪の通り抜け加工に威力を発揮します。
- 爪の取り付け方向を逆にすることにより加工範囲が拡大されます。
用途
・3ッ爪チャック用生爪成形治具。
・油圧チャック、パワーチャック、エアチャック、スクロールチャック、治具チャック、フライスチャックに使用可能。
<本体><調整リング><爪>の3種類のパーツから成っておりリングを回すことにより爪(ピン)の位置調整ができます。
爪を正方向または逆方向に入れ替えると調整範囲が拡がります。
生爪成形ホルダ
- 適合チャックサイズ(インチ)を確認してください。
- 止めピンサイズ(mm)を選んでください。
ココミテvol.2より参考