畜光塗料は、目覚まし時計の文字盤であまりにも有名です。ある物質に何らかの形のエネルギーで刺激を受けたとき、刺激停止後も発光を持続することを「りん光」といいます。 りん光を発する物質をりん光体といいますが、とくに残光時間の長いものを使用して畜光塗料がつくられています。
りん光体としては、硫化カドミウム系(CaS/Bi硫化カドミウムにビスマスを賦活剤として用いたもの。CaS+SrS/Bi)や硫化亜鉛系(ZnS/Cu、ZnS+CdS/Cu、賦活剤として銅を用いる)などがあり、発光色も青色から赤色まで(青、淡青、緑、黄、橙、赤橙)あります。
畜光塗料は、りん光体とビヒクルを使用するときに混ぜ合わせて使います。これら無機りん光体は、結晶体であるためロールミルなどで加圧・混合すると結晶が粉砕されて発光輝度が低下してしまうからです。とくに残光時間が長く、りん光体として用いられるのは硫化亜鉛/銅、硫化カドミウム/ビスマスりん光体です。
【表1】に、畜光塗料に使われるりん光体を示します。
【表1】畜光塗料に使われるりん光体
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畜光塗料は陰極線、長短紫外線、X線などで励起され、残光時間の依存性から、甚短型、短型、長型、甚長型などに分類されます。【表2】に蓄熱塗料の分類と用途を示します。
【表2】畜光塗料の分類と用途
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