災害防止用標示板、消費者の目を誘う広告看板、ポスターなどには、しばしば蛍光塗料が用いられています。
ある物質が外部から光エネルギーを受けたとき、吸収したエネルギーを別のエネルギーに変換して、可視光などの光を放出する現象をルミネッセンスまたは蛍光といいます。蛍光は外部エネルギーを受けているときだけの発光で、外部からのエネルギーが消滅すると発光も消えます。
蛍光塗料に用いられる蛍光体は、昼光蛍光塗料顔料といわれる有機物で、蛍光性染料を合成樹脂に染着したものです。蛍光性染料は一般に、希薄な溶液のときには蛍光を発し、濃度の上昇とともに蛍光強度は増大しますが、ある濃度以上では減少します。
蛍光性染料の担体となる合成樹脂には、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニール、塩ビ酢ビ共重合体、アルキド樹脂、芳香族スルフォンアミド樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂及びこれらの共重合体などが用いられます。
蛍光性染料としては、ブリリアント・スルフォ・フラビンFF、フルオロール・グリーン・ゴールドなどです。
蛍光塗料の種類を【表1】に示します。最近の蛍光塗料ではLa2O3、ZnO、B2O3系ガラス粉末と、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシルセルローズ、カルボキシメチルセルローズなどの水溶性バインダーを用いたものなどもあります。
【表1】蛍光塗料の種類と用途
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