ミスミ「バキュームユニット」は、プラスチックをキャビティの中へ充填する過程で発生するエアーやガス成分を、外部へ強制的に排出させるための新商品です。
「バキュームユニット」をエアーやガスを抜きたい部分の直下に装着し、その上にTSベンを設置して、キャビティから外部へ圧縮空気を利用して強制的に排出をさせます。
または、エジェクタピンを「バキュームユニット」の中心穴を通じて配置することにより、エジェクタピンの取り付けクリアランスからエアー、ガスを強制的に排出させます。
圧縮空気は、工場内のコンプレッサーから供給される圧縮空気を利用します。圧縮空気の圧力は、0.3〜0.5MPaの範囲で供給し、カプラー経由で金型へ供給します。
空気は、金型に溝を加工しておいて「バキュームユニット」の取り付け穴に届くようにします。
「バキュームユニット」の端面と円筒部にはエアーが漏れないようにゴム製のOリングがあらかじめ装着されています。
圧縮空気が「バキュームユニット」の側面に供給されますと圧縮空気がユニット内のテーパ流路を高速で流動し、その際に発生する負圧によって、強制的にユニット上部の開口部からエアーを外部へ誘導し排出します。
従来から使用されておりますTSベントやガス抜き構造のみでは十分な効果が得られなかった金型では、さらなる改善効果が期待できます。
なお、使用に際しましては、メンテナンスの時に蓄積されたやに成分を定期洗浄していただくことで、長くご使用ができます。
射出成形の成形条件の安定化や充填圧力の低減を実現するには、キャビティ内からガスを強制的に排出することは重要な着眼点になります。
新種の成形材料でガス抜きにお困りの場合には、是非一度、お試しになっていただければと思います。