Question
ブラシでバリ取りをしているとブラシが変形して当たらなくなりバリ残りが発生することがあります。バリ取りを安定させるにはどのようにすればよいでしょうか?
Answer
ブラシ素材の特性に応じた使い方をするのがポイント
- バリ取りブラシの線材には、金属系素材、研磨材入りナイロン、セラミックファイバーなどの素材があります。
素材毎の特性に応じた使い方をすることで、変形などによるバリ残り発生を抑えることができます。
- 金属系ブラシ素材の場合
- - 線材の先端が作業しますので、エッジ・円筒内のバリ取りいずれの場合でも、先端だけがワークに接触する程度の最小圧力で、且つ許容範囲内の最高使用回転数でブラッシング作業をしてください。
- - できるだけ多くのブラシ先端表面がワークと全面均一に接触するようにセットしてください。ブラシフィラメントの側面やブラシ端面のみの使用はバランスを悪くし、ブラシの寿命を短くします。
- 研磨材入りナイロン素材の場合
- - フィラメント全体に研磨材が含有されているため、フィラメントが当たる全ての部分を研磨することができます。また、常に同じ研磨面が出てくるため、時間が経っても研磨力に大きな低下がありません。
- - 研磨材入りナイロンブラシはフィラメントの腹の部分を使用しますので、なでるように少し圧力をかけ、ゆっくりとした回転で作業してください。金属系ブラシのように回転数を上げてしまうと、焼け(スメアリング)を起こして作業ができなくなりますのでご注意ください。
- セラミックファイバー素材の場合
- - 金属系ブラシ素材や研磨材入りナイロン素材に比べ曲げ復元性が高いのが特長です。また、耐熱温度及び水中での毛腰維持率も高いため、線材形状が崩れにくい素材です。
- - 繊維構造であるため切れ刃が連続しており、消耗しても常に新しい切れ刃が露出しますので、研削力が持続します。
- - 但し線材が硬いため、圧力がかかると折損することがありますので、フロートホルダを使用するなど荷重を制御することが求められますのでご注意ください。
オススメ商品のご案内
ハンドグラインダー、卓上ボール盤のバリ取りブラシ
バリ取りブラシ(6㎜軸タイプ)
MEBA(クリンプエンドブラシ)
MEBB(ノット型エンドブラシ)
ここが特長!
- 軸部とブラシが一体になっていますので、高速回転でご使用になれます。
- クリンプエンドブラシとノット型エンドブラシには、スチールワイヤーとステンレスワイヤーをご用意しています。ブラッシング後のカーボン付着回避や錆あとの発生回避には、ステンレスワイヤーをご利用ください。
ディスクグラインダー用の強力ブラシ
高速回転強力ブラシ(100㎜ディスクグラインダー用)
VKC(ノット型カップブラシ)
ここが特長!
- スチールワイヤーとステンレスワイヤーをご用意しています。ブラッシング後のカーボン付着回避や錆あとの発生回避にはステンレスワイヤーをご利用ください。
- スチールワイヤーは高張力熱処理鋼線を使用していますので、線材が切れにくく長寿命です。
- 各電動工具メーカーに適合しています。
- 最高使用回転速度まで上げても、バランスよく安心してご使用いただけます。
複雑な形状の交差穴や段差のあるドリル穴・キリ穴のバリ取りに
マイクロスパイラルブラシ
IMSN(ナイロン)
IMSS(ステンレス)
IMSG(研磨剤入りナイロン)
IMSB(真鍮)
ここが特長!
- マイクロスパイラルブラシは柔軟性が高いため、部品形状にならったバリ取りが可能です。また、複雑な形状の交差穴や段差のあるドリル穴・キリ穴など、これまでのブラシでは取りきれなかったバリも除去できます。
- 細い円筒内に於いて円筒内径に対し大きめのブラシを挿入することで、ブラシがバリを叩き除去する能力があります。
- 研磨剤入りナイロンブラシは、ブラシ側面でヤスリのように擦りながらバリを取ることができます。
線材形状が崩れにくく高い研削力が持続します
カッティングファイバー、セラミックファイバーブラシ
CFM-B(カッティングファイバー・ブラシ)
CFM-S(カッティングファイバー・スリーブ)
CECF(セラミックファイバーブラシ)
ここが特長!
- アルミナ長繊維の先端が切れ刃となります。砥粒を含まず繊維素材そのもので研削するため、切れ刃が自生作用を持ち高い研削能力を発揮します。
- 線材1本にアルミナ長繊維を1000本集束しており、圧倒的な量の切れ刃で研削します。
- 繊維構造であるため切れ刃が連続しており、消耗しても常に新しい切れ刃が露出します。
- ナイロン線材や真鍮線材と比べて、曲げ復元性・耐熱性・耐水性に優れており、ブラシ形状が変化しにくく、安定したバリ取り能力が維持します。