Question
バリ取りの工程に於いて、被削材別に異なる工具を選定すべきでしょうか?
工具の種類が多く、適性が明確に分かりません。
バリ取りをする際、鉄やアルミ、鋳物といった被削材によって、異なるバリ取り工具を選定する必要はありますか。
Answer
被削材によってバリ取り工具を使い分けることは少ない
バリには、前工程の違いを主な理由として、カエリバリ、ヒゲバリと呼ばれる微細なものから、鬼バリとよばれる素材の変形のようなバリまで多様なものがあります。さらに、加工の状況によってもバリの大きさも多様です。
これらの多様性に対しては工具もいろいろと対応していますが、被削材の多様性に対しては、鉄用や非鉄用といった区分も一部ありますが、多くの場合は詳細には区分されていません。
バリ取り加工は、前工程である切削・研削加工と比較して、ツール加工部の接触面積や加工抵抗が小さいため、被削材種による発熱・目詰まり等の影響を強くは受けません。従って、バリ取り加工時は、被削材による区分ではなくバリの大きさによる区分で最適なバリ取り工具を使い分けることが重要です。
バリ根元厚みで工具を使い分ける
使用する工具の違いは、主に、バリ根元厚み0.1mmが境界線になると言われています。
バリ根元厚み0.1mmとは、バリを爪で押して折れるかどうかが目安です。
- バリ根元厚み0.1mm未満の場合
「掃き取る」研磨系の工具を使用 ⇒ セラミックブラシ、ナイロンブラシ、ワイヤブラシ、シート等 - バリ根元厚み0.1mm以上の場合
「削り取る」切削・研削機能を持つ工具を使用 ⇒ ヤスリ、超硬ロータリーバー、軸付砥石等
手作業用、自動化用と使用方法で区別しているものがあるため、用途に合わせた工具を選定するのが適切です。
尚、面取り指示がある場合は、上記バリ取り工具ではなく面取りカッターを使用してください。