ねじの製図の基本を解説します。
ねじの製図の基本(図2~図5はJIS B 0002-1より)
ねじの形状は軸の外周を山状の歯が螺旋状に形成された複雑なもののため、ねじ製図は原則的に略図で表されます(【図2】)。なお、ねじの端部方向からの製図表示法が変更<下記-b)項>になっています。古い表記法は【図6】を参照ください。
a)ねじの外観図
・ | おねじの外径とめねじの内径は太い実線で表記 | |
・ | おねじの谷の径とめねじの谷の径は細い実線で表記(【図2】の青矢印線) |
b)ねじの端部から見た図
・ | ねじの谷底は、細い実線で描いた円周の3/4にほぼ等しい円の一部(【図2】の右図)で表す。通常は右上方の4分円を開けて表記。 |
c)ねじ部品の断面図
・ | ねじ部の断面図(【図3】の左図)では、ハッチングは、ねじの山の頂の太い実線まで延長して製図する。 |
d)隠れたねじ
・ | 山の頂および谷底は【図4】のごとく細い破線で表す |
e)不完全ねじ部
・ | 不完全ねじ部は、機能上必要な場合や加工寸法の指示を要する場合には、傾斜した細い実線で表すが、省略可能である(【図5】)。 |
各種の頭形状を持つ小ねじの製図表記法も新しい表記法に変わっています。詳しくはJIS B0002-3を参照してください。
ねじの表し方(JIS B 0123:1999 より抜粋)
ねじの表し方は、ねじの呼び、ねじの等級およびねじ山の巻き方向の各項目について、次のように構成します。
ただし、メートル並目ねじおよびミニチュアねじのように、同一呼び径に対し、ピッチがただ一つ規定されているねじでは、一般にピッチを省略します。
ねじ山の巻き方向は、左ねじの場合には "LH" 、右ねじの場合には一般には付けないが、必要な場合には "RH" で表します。
ねじの等級は、ねじの等級を表す数字と文字の組合せまたは文字によって、JIS H 0123 に定めるように表します。
なお、ねじの等級は必要がない場合には、省略してもよい、と定めています。