適用範囲
この規格は、アディティブ法プリント配線板用の厚さ5μm以上の無電解銅めっきについて規定する。
備考
ここで言うアディティブ法プリント配線板とは、絶縁基板の全部または一部の導体形成に無電解銅めっきを用いたプリント配線板とする。
アディティブ法の種類
(1)フルアディティブ法
接着剤付積層板に穴明けした後、無電解銅めっきだけを用いて、平面部とスルーホール部の配線を形成する製法。
(2)セミアディティブ法
接着剤付積層板に穴明けし、無電解銅めっきを行った後、電気めっきおよびエッチングで平面部とスルーホール部の配線を形成する製法。
(3)部分アディティブ法
銅張積層板の銅はくをエッチングして平面部の配線を形成した後、めっきレジストパターンを付与し、スルーホール部だけに無電解銅めっきして配線を形成する製法。
(4)パネルアディティブ法
銅張積層板に穴明けし、スルーホールを含む全面に無電解銅めっきした後、不要部分の銅をエッチング除去し、平面部とスルーホール部との配線を形成する製法。
(5)パターンアディティブ法
銅張積層板に穴明けし、めっきレジストを付与した後、平面の配線部とスルーホールに無電解銅めっきし、次に平面部の不要な部分の銅をエッチング除去して配線を形成する製法。
等級および記号
(1)等級:めっきの等級は下表のように機械的性質によって2等級に分ける。
等級 | 素地 | 引張強さ | 伸び | 曲げ疲労特性 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1級 | 銅張積層板、接着剤塗布積層板、セラミックス基板など | 195N/mm2 以上 | 3%以上 | 400回以上 | 一般用途 |
2級 | 295N/mm2 以上 | 7%以上 | 800回以上 | 高信頼性用途 |
(2)記号:めっきの記号は、JIS H 0404による。ただし、素地が銅張積層板の場合はJIS C 6480に規定する銅張積層板の記号による。
品質
(1)めっきの外観
めっきの外観は、JIS H 8646 附属書1に定める試験を行い、色むら、しみ、しわ、ピット、割れ、きず、ざらつきおよび100X100mm内に5個以上のピンホールがあってはならない。
(2)めっきの最小厚さ
めっきの最小厚さは、JIS H 8501 に規定する厚さ試験を行い、指定された値以上でなければならない。
(3)めっきの純度
めっきの純度は、JIS H 8646 附属書2に定める純度試験によって試験を行い、99.2%以上でなければならない。
(4)めっきの密度
めっきの密度は、JIS H 8646 6.4項による試験を行い、8.7g/cm3以上でなければならない。
(5)めっきの体積抵抗
めっきの体積抵抗は、JIS H 8646 附属書3に定める試験を行い、20℃において、2.5μΩ・cm以下でなければならない。
めっきの呼び方
例1)ELp-FCL, GE/ Cu 25 [1]
ガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板上、無電解銅で1級25μmのめっき。
例2)ELp-PL/ Cu 40 [1](PL:接着剤塗布積層板)
接着剤塗布積層板上、無電解銅で1級40μmのめっき。