プラスチック射出成形金型のキャビティ表面は、ミーリング加工や放電加工、ワイヤーカット加工によって機械加工が行われた後で、主として手仕上げによる磨き加工、あるいは機械による磨き加工が施され、表面は滑らかに磨き上げられます。
 磨きの状態が適切でないと、成形品の転写表面の光沢が鈍くなり、面の品位が劣ることになります。
 また、成形品がキャビティから離型する際に、面の凹凸がアンダーカットとなり、離型不良を引き起こす原因となる場合があります。

 キャビティ表面の磨きは、硬い砥石や砥粒によって行われます。砥石や砥粒は、目の粗い(粒が大きい)順番から細かい方へ順番に使い分けをします。磨きに研削油を付けながら目詰まりやかじりを起こさないようにしながら作業を進めます。
 磨く方向は、一定方向のみではなく上下左右や円周方向に変化させるようにして、磨き面が均一になるように配慮します。

 研磨材としては、下記の材質が主に使用されています。

天然研磨剤 珪石類(メノウ、アルカンサス等)
コランダム類(エメリー、ガーネット)
ダイヤモンド粉
人造研磨材 アルミナ(Al2O3)
炭化珪素(SiC)
炭化硼素(BC)
人工ダイヤモンド

 研磨材の粒度は、#10~#3000ぐらいまで範囲があります。数値が小さい方が目が粗いことを意味します。
(例:#10~#30ぐらいで磨くと目が粗く、#1000~#2000ぐらいで磨くと目が細かく仕上がります)

 目が細かい砥粒を使用する場合は、楓(かえで)、松、柳、バルサ等の木材にオリーブ油、植物油等を混ぜて磨きを行ったりします。