用途別選定(参考)
ブラシ材質と用途の関係(参考)
ブラシには用途に応じたさまざまな材質がありますが、金属線の場合、被削材と同じ材質のブラシ素材を使用するのが基本です。
ブラシ材質 | 用 途 | 注 意 |
---|---|---|
スチールワイヤー | 鉄板のサビ落とし、塗装剥離、溶接部の仕上研磨に適しています。 | ワークがアルミ、ステンレス、真鍮の場合、スチールワイヤーを使用すると、ワークにサビが発生するのでご使用にならないでください。 |
ステンレス (SUS) |
アルミ、合金、チタン、ステンレス素材のワークに適しています。 | サビが発生する可能性があるところではSUS316をご使用ください。 |
研磨材入りナイロン AO(注1) SC(注2) |
砥粒入りナイロンブラシは線材の先端のほか、側面でも研磨作業が行えます。ワークに対し、ブラシを少し押し付けることによってワイピングアクション効果が得られ、従来、ヤスリがけ等、手作業でしかできなかったバリ取り、仕上作業が簡単に行えます。 | ―――― |
真鍮 | 真鍮、銅のワークに適しています。 | 研磨物が黒く変色する可能性がありますので、変色の恐れがあるものはご使用をさけてください。 |
ワーク材とブラシ材質の関係(参考)
ワーク材 | ブラシ材質 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
スチール ワイヤー |
ステンレス (SUS) |
ナイロン | AO (注1) |
SC (注2) |
真鍮 | 三角 ピアノ線 |
茶イカツ毛 白馬毛 黒馬毛 |
|
アルミ | × | ○ | ○ | ○ | △ | × | × | ○ |
スチール | ○ | ○ | × | △ | ○ | △ | ○ | × |
真鍮 | × | × | ○ | ○ | △ | ○ | × | △ |
ステンレス | × | ○ | × | ○ | ○ | × | × | × |
銅 | × | × | × | ○ | △ | ○ | × | × |
鋳物 | ○ | ○ | × | △ | ○ | △ | ○ | × |
樹脂 | × | × | ○ | △ | △ | △ | × | ○ |
バリ取りブラシの特長
ブラシのクリーニング作業での効果
ブラシは酸化物、錆、汚れ等の表面クリーニングを行い滑らかな表面にしますが、塗布研磨材が行うような「削る作業」は構造上の特性からあまり得意ではありません。従って所定の寸法に仕上げるための工具ではありません。
ブラシの作業要領
作業をより効果的に行うためのブラッシング調整法
ブラッシングの結果 | 調整方法 | |
---|---|---|
加工が早過ぎる場合 | ●トリム(毛丈)の長さを長くする ●ワイヤーの線径を細くする ●植毛密度を下げる |
●ブラシ外径の小さいものにする ●ブラシ回転数を下げる |
加工が遅過ぎる場合 | ●トリム(毛丈)の長さを短くする ●ワイヤーの線径を太くする ●植毛密度を上げる |
●ブラシ外径の大きいものにする ●ブラシ回転数を上げる |
より滑らかな仕上がりが要求される場合 | ●ブラシ回転数を上げる ●トリム(毛丈)の長さを短くする ●ワイヤーの線径を細くする |
●植毛密度を上げる ●金属線材の代わりに、研磨材入りナイロン 等を使用する |
不均一になる場合 | ●トリム(毛丈)の長さを長くする ●植毛密度を下げる |
●ブラッシング保持具を使用する |
バリを除去せず周辺をたたいてしまう場合 | ●トリム(毛丈)の長さを短くする ●植毛密度を上げる |
●被削材がやわらかい場合、研磨材入りナイロン等を使用する |
ブラシの寿命が短い場合 | ●トリム(毛丈)の長さを長くする ●ワイヤーの線径を細くする |