グリース
ベアリングやギア、摺動箇所などの潤滑を行います。
特長
- 滴下、飛散が少ないです。また、異物の混入が防止できます。頻繁に給油しなければならない箇所や給油困難な箇所に適しています。広範囲の温度に使用可能で、耐水使用や長期の保存が可能です。また、増ちょう剤が配合されているため潤滑面への付着力が強く、潤滑油に比べ耐荷重性が強いです。
軽工業から機械の回転部や軸受などさまざまな用途で使用されています。
NLGIちょう度(材料の硬さ)番号
グリースの硬さを一般的に表す数値として、混和ちょう度を基にしたNLGIちょう度番号による区分があります。
NLGI No. | 混和ちょう度 | 状態 |
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No.00 | 400~430 | 半流動状 |
No.0 | 355~385 | 極めて軟らかい |
No.1 | 310~340 | 軟らかい |
No.2 | 265~295 | 中間 |
No.3 | 220~250 | やや硬い |
シャーシグリース
特長
- 車輌の下周りのグリース給油箇所に。
- 耐水性、潤滑性に優れていて安価です。
- 水分が含有されているので、雰囲気温度は80℃が限界です。
リチウムグリース
特長
- 産業機械の回転、摺動部に。
- 耐水性、耐熱性、潤滑性に優れています。オールマイティーに使用でき、適用範囲が広いです。
- 雰囲気温度は、130℃まで使用可能です。
モリブデン入りリチウムグリース
特長
- ボールジョイントなど強い荷重がかかり、摩擦・摩耗が発生する箇所に。
- 焼き付きが発生しやすい厳しい潤滑箇所に。
- 特に耐摩擦・摩耗性に優れ、耐水性、耐熱性も有します。
- 雰囲気温度は150℃まで使用可能です。
ここポイント! |
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・使用箇所の各種条件を確認してください。 ・機械の種類 ・速度 ・荷重 ・雰囲気温度 ・給油方法 ・用途に合わせてタイプ(種類)と容量(g、ml)を選んでください。 |
シリコーングリース
使用温度域が広く、酸化安定性・耐水性などに優れているグリースです。
特長
- 一般潤滑用シリコーングリースは一般石油系グリースに比べて酸化安定性や温度特性・耐水性に優れ、適用範囲が広く、また、高温潤滑用シリコーングリースでは、200℃以上の高温でも使用できるものもあります。
- 熱で変色しにくいです。
- ちょう度(材料の硬さ)が安定し、低温でも硬くなりません。
豆知識 オイルとグリースの使い分けについて |
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オイルは液体であるため流動性がありますので、注油することで部品細部まで入っていきます。反面、短期間でオイルが漏れて出てしまうことがあります。これに対して、グリースは半固体であるため流動性が低く、部品の外から塗布しても潤滑部分には届きません。このため、あらかじめ潤滑部分に塗っておかなければ効果がありませんが、潤滑部分にとどまるため長期にわたる潤滑性能や耐水性が得られます。 |
【注意事項】
直射日光を避け、湿気の少ない冷暗所に保管してください。硬化、酸化、揮発、油分離がきわめておこりにくく、1回の塗布で長時間使用することができます。
耐熱・耐寒用シリコーングリース
特長
- モーター、ポンプ、ファンなどの潤滑に使用します。
- 各種ベアリング、バルブ、ギアなどの潤滑に使用します。
- 高温や低温において、きわめて安定した潤滑性を発揮します。
ここポイント! |
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・使用温度範囲(℃)を確認してください。 ・用途に合わせてタイプ・容量(g)を選んでください。 ・軽潤滑用に使用します。 (プラスチック部分など力のかかっていないところで使用します。) ※参考:重潤滑用(大きな機械で動かしているようなところで使用します。) |
ココミテvol.2より参考