(1)自動機の加工部品の価格構造

 自動機の加工部品の購入価格は次の項目で構成されます。

加工部品の購入価格=材料費+加工機の加工時間x加工機の時間賃率+利益

 この中で、利益を除く全ての項目が、自動機設計者の能力に影響されてきます。
 以下に影響項目の一部を列記しました。

a) 材料費
・ 適切な材料(加工のし易さ、自動機機能の適正さ)を選定しているか?
b) 加工時間/加工機賃率
・ 標準材料を利用し加工代を少なくする寸法を選定しているか?
・ 標準部品を活用しているか?
・ 加工段取りを少なくする形状や穴配置などの設計をしているか?
・ 時間賃率の低い加工機を多く使用する部品設計としているか?
・ 手仕上げなどの手間を要しない仕上げ加工法を指示しているか?
・ 過剰公差で不必要に加工時間を長くしていないか?

(2)部品加工時間の構成と設計者の改善項目

 加工機の加工時間は、部品加工の製作メーカーで行われる次の作業プロセスの全てを含みます。

部品加工時間 = 準備時間 + 加工時間
  = 準備時間 + ( 実加工時間 + 附帯作業時間 + 余裕時間 )
    <改善項目>     <必要時間>   <改善項目>   <改善項目>  

 この中で、自動機の部品を加工している時間は実加工時間のみで、他の3項目:a)準備時間、b)附帯作業時間、c)余裕時間はムダ時間(最小化すべき時間)として、部品設計者が加工費を抑える項目と成ります。

a) 加工を始めるまでの準備作業のすべてで、(1)加工図面を理解する、(2)加工プロセスを決める(加工機選定、工具、加工条件などを決める)などを含む。
部品設計者は、次の視点でムダの最小化が可能です。
・ 理解し易い設計図を書く
・ シンプルな加工プロセスで出来上がる部品形状に設計する
・ 複数の加工業者の加工を要しないような設備選定と表面処理の指示に努める
b) 附帯作業時間
 機械加工中の実加工時間以外に作業段取りとして発生する手作業などで、(1)加工途中での加工精度のチェック、(2)砥石のツルーイングなど、(3)加工ワークの付け直しなどを含む。
 部品設計者は、次の視点でムダの最小化が可能です。
・ 過剰な寸法公差を避けることで、加工途中での寸法チェック等のムダが省ける設計とする
・ 加工ワークの付け直しを要しないような形状設計の工夫(例:一方向からの加工で全ての加工が出来る様な穴加工の形状と配置設計)
・ 最小限の加工取代で加工が可能なように標準材料が利用できる材料と寸法指示
c) 余裕時間
 標準作業に対する余裕時間で、一定時間は必要時間として加味すべき時間