高速で繰り返し運動をする可動体に配線が必要な機構(X-Yテーブルの上層軸、リニアモータのコイル可動体など)では、配線接続部の断線事故を防ぐための工夫が必要です。さらにこの可動体がエアーシリンダや位置計測用リニアエンコーダなどを搭載している場合は、複数本の配線が運動の邪魔にならぬよう処理が必要です。通常はケーブルキャリアを使って、可動体の配線処理を行います(【写真1】参照)。

【写真1】可動体の配線処理とケーブルキャリア

 ケーブルキャリアは、可動体の配線部の信頼性を向上させる反面、ケーブルキャリア自体の変形抵抗力が可動部の運動精度の劣化要因に繋がる可能性があります。次の項目に注意が必要です。

(1)ケーブルキャリアの使い方

注意事項 使い方のポイント
可動ストローク(S)とケーブルキャリア長さ(L)の関係
(【図1】参照)
ケーブルキャリア長さL=S÷2+(円弧+余裕値)
余裕値はカタログに記載されています
曲げ半径と収納ケーブルの太さの関係 曲げ半径=ケーブル外径x(7~8)程度
ケーブルキャリア内での配線固定
(【図1】参照)
配線はケーブルキャリアの両端のみでインシロックで固定
(両端以外の箇所で固定すると断線事故になりやすい)
クリーン環境とケーブルキャリア しゅう動するプラスチック部品の集まりがケーブルキャリアのため磨耗粉発生が回避できません。気流の関係で風下側への配置や局所排気などで対応
ケーブルキャリア断面寸法と配線外径
(【図2】参照)
配線最大外径=ケーブルキャリア高さx0.8以内
ケーブルキャリア内壁すき間=配線外径x0.1以上
隣接配線のすき間=配線最大外径x0.1以上
が目安

【図1】可動ストロークとケーブルキャリアの長さの関係

【図2】ケーブルキャリア断面寸法と配線外径