ケーブルは固定状態で使われるとは限りません。ケーブルベアなどで常に屈曲状態で使用されることも非常に多いため信号線には柔軟性に優れたロボットケーブルをご使用ください。
許容電流計算式
電圧降下
電線の分類
「配線接続部品カタログ」では、電線選定の目安として数多い種類の電線をいろいろな角度から分類しています。
- 使用部位別の分類
「盤内機器接続用」と「盤間接続/機器間接続用」、さらに目的別と使用部位別に電線を分類してそれぞれを一覧にしています。 - 用途別の分類
電線の構造・機能をご説明しています。電気/電子機器用の電線を電力供給線と電気信号伝達線と分類・使用する場合の選択の目安としてご利用ください。 - 定格温度・定格電圧の分類
単芯電線、多芯電線ともに定格電圧を600V・300V・100V未満の順に掲載、耐熱温度はそれぞれカタログの見やすい位置に使用温度範囲を記載しております。 - 規格による分類
各国では電気用部品を使用する際に、規格を定めております。各国での使用に見合う規格を取得した電線や準拠した電線をご選択ください。
使用部位別の分類
ここでは「盤内機器接続用」と「盤間接続/機器間接続用」と目的別と使用部位別に電線を分類することにより選択の一つの目安とします。
用途別の分類
電気/電子機器用の電線は、その用途によって電力供給線と電気信号伝送線の2つに大きく分けられます。電力線では電線を伝わる電気の電圧・電流の大きさがどの程度かが重要で、信号線においては電気信号の伝わり方が重要になります。
これらについては、電線の構造、機能を理解することにより、選定の一つの目安となります。
- 電力供給用の電線について
電源用の電線は、電力との接点ですから内線規定(注1)を始めとし、各国の安全法規に直接関係しています。選択においては、これら法的な安全法規などから必要なものを選定します。内線規定(注1)需要場所における電気工作物の設計、施工、管理に関する全国的に統一した規範として、(社)日本電気協会に設置されている電気技術基準調査委員会が昭和43年11月に制定したもので冊子として販売されています。
社団法人 日本電気協会 TEL(03)3216-0555(代) - 電気信号伝送用の電線について
コンピュータ、データ通信機器などの電子機器では、電線に対してもさまざまな電気的特性が要求されます。コンピュータ周辺の機器間のケーブルなどは重量な信号伝送回路です。以下の項目が必要とされます。- 信号を伝達するのに機器間で要求される電気的特性を備えていること
- ノイズ対策(シールド、ツイストペアなど)
- ある程度の可とう性があること(狭い場所での配線が考えられる)
定格温度・定格電圧の分類
「定格温度」低温で脆化せず、高温で軟化や熱による劣化を生じない温度。絶縁材質により異なります。カタログの各商品ページに使用温度範囲を記載しておりますので、そこからご判断ください。ただし、使用最高温度でのご使用は実質できませんのでご注意ください。
「定格電圧」絶縁破壊を起こすことなく連続使用できる最高使用電圧です。一般的に「盤内機器接続用」と「盤間接続/機器間接続用」の電線では600V・300V・100V未満の電線が使用されます。電圧表記については各商品ページの各タイトルからご判断ください。
電線の選定について
電気/電子機器用の電線の選定においては、そこに加わる電圧、電流の大小、直流、交流等の諸条件を勘案して選定る必要があります。
しかし、電気/電子機器用の電線は、電力ケーブルや通信用ケーブルと異なり、多くの種類が存在しますし、一部を除き標準化もあまりなされていないため選定が困難です。よって、選択においては、電線に要求する電気的特性を明確にすることや、耐屈曲性、柔軟性、耐油性といった機械的な特性や使用環境に対する要求も明確にした上で、さまざまな要求特性に合わせた電線の選択が必要となります。もちろん、それとは別に、コネクタや端子類と電線を組合せる場合(ハーネス加工の場合)は、適合電線サイズや、適合する電線の仕上り外径など各々の物理的な要求を満たす選択も必要になります。
サイズ選定について
電線のサイズ選定においては、
- 電線の許容電流と負荷電流でサイズを選定する
- 電圧降下によりサイズを決定する
など、電線の負荷および総合的な需要を考えます。例えば、電線の長さが短い場合は、電圧降下が少ないため許容電流で選ぶ電線サイズで充分です。逆に、長くなると電圧降下が大きくなるので、電線サイズを大きくする必要があります。
※電圧降下についてはこちらをご覧下さい。
外皮(シース)の耐性とは
外皮(シース)とは、ケーブル外側の被覆のことだ。
基本的にケーブル内部の導体や絶縁体が濡れたり傷んだりしないように守る目的で用いられる。
ケーブルに負荷がかかる要素としては、曲げや摺動などの繰り返しの動き、紫外線や油などの作業環境によるものがあるが、すべての外的負荷に耐性のある外皮はない。したがって使用目的や状況を整理し、適した外皮の素材を選ぶ必要がある。
たとえば比較的安価であることからよく使われる「PVC(ポリ塩化ビニル)」にも、このような性能が求められる。過酷な環境下の使用においても耐えられるよう、耐油性や耐熱性を高めたもの・屈曲性能を実現するために、柔らかさや滑性度を高めたもの 耐性とは別に、PVCは燃焼時に有毒なガスやダイオキシンが発生する恐れがあるため、環境に配慮してPE(ポリエチレン)が使われる場合もある。
またコストが高いものの、耐熱性や耐候性、機械的強度のあるFEP(フッ素樹脂)もロボットケーブルに使われている。
ノイズについて
ノイズとは一般に目的以外の電圧、電流、信号などのことを言う。ノイズが入ると、機器が誤作動を起こす可能性がある。
ロボットケーブルが関わるノイズとしては、誘導ノイズや放射ノイズ、伝導ノイズなどがある。
たとえばロボットケーブルを移動するノイズが空中へ伝わり「放射ノイズ」となる場合や、放射ノイズがロボットケーブルに結合して「伝導ノイズ」となる場合もある。
ノイズはロボットケーブルのみならず周辺機器も影響して、さまざまな原因や経路が複雑に絡み合うものだ。
ロボットケーブルのノイズ対策だけでトラブルのすべてを解決するのは難しいことだが、それでも部品ごとに原因を除去していく必要性はある。
ノイズの耐性も考慮する
ロボットケーブルのノイズ対策には、シールドを用いる。
ノイズ対策をしたロボットケーブルには商品名や仕様に“シールド付き”“耐ノイズ”などと表記されている。
シールドのひとつが、錫(すず)めっきを施した軟銅線を用いて絶縁体と外皮の間で編組を行うことだ。
編組とは、網状に編んだ銅線や繊維を被せる加工技術のことを言いう。
「外皮(シース)の耐性とは」「ノイズについて」「ノイズの耐性も考慮する」は太陽ケーブルテック社技術資料より参考