ATX電源を搭載したシャーシにメインボードを組み込む場合、マザーボードでは、電源ユニットのコネクタ(20pinまたは24pin)と電源スイッチコネクタ(2pin)との接続だけで組み立ては完了しますが、CPUカードの場合は、さらにATXコントロールケーブルを接続する必要があります。
ATXコントロールケーブルの接続方法は、メーカにより異なります。ここではカタログに掲載されている各ボードメーカの接続方法をご説明します。
ATXコントロールとは?
ATXコントロールとは、シャットダウンと同時に本体の電源を自動的にOFFにする機能や、ACP(I 電源管理アーキテクチャ)によるサスペンドモードなどを実行する機能です。
ATXコントロールの仕組みは?
ATXコントロールを行うには、ATX Ver.2.01以降の電源を使用します。ATX電源は、主電源の投入により、“スタンバイ電圧”(+5VSB)がメインボードにかかり、文字通りメインボードをスタンバイの状態にさせます。
ソフトパワースイッチ(電源スイッチ)の押下により、メインボードに+5V、+12V、−5V、−12V、+3.3Vが供給され、システムの起動が始まります。
起動開始と同時にメインボードよりATX電源の“PS-ON”に一定の出力がされることで、電源から継続して電流が出力されます。そのため、主電源が投入された状態で拡張カードやメモリ等の増設をおこなうと、メインボードや拡張カードに障害が発生する可能性が高くなります。
ATXコントロールの機能
ATXコントロールを使用して可能になる動作には、以下のものがあります。
- ログアウト ・Wake ON LAN(LAN経由で起動)
- シャットダウン ・Wake ON RTC Timer (リアルタイムクロックによる起動)
- スタンバイ ・Wake ON PC(I PCI拡張カードから起動)
- Wake ON Modem(モデム経由で起動)
ATXコントロールを使用したくない場合はどうすればいいの?
ATXコントロールには、シャットダウンと同時に電源をOFFにする便利な機能がありますが、その反対に、AC電源(主電源)の投入では起動しない(都度電源スイッチを押下しなければならない)不便さも兼ね備えています。最近では、製造ライン等で一斉に起動したい場合に対応できるよう、主電源の投入によって起動できるボードも増えてきています。(ボードによってBIOSやジャンパ等設定方法は異なりますので、詳細は取扱説明書をご参照ください。)
ミスミでは、設定の可否を一目でご判断頂けるように商品ページの仕様に『AC電源自動復旧機能』を記載しております。
ATX電源のピン配置
接続方法
ATX電源コネクタを持つバックプレーンとの接続方法です。
CPUカードに添付の専用ATXコントロールケーブルを使用します。このケーブルは片方をCPUカードと接続し、もう片方をバックプレーンと接続するコネクタになっております。
※メーカごとにコネクタの形状やピン数が違うため、必ず同一メーカのCPUカードとバックプレーンをご使用ください。
※ATX電源コネクタを持たない(PS/2電源コネクタのみ)バックプレーンでは、使用しません。