射出成形:基礎知識(サイクル)
- 一般に、成形サイクルを構成している要素は、下記が挙げられます 1.型閉時間 金型が閉まるまでの時間です。金型の開閉時間は、射出成形機の型開きストロークと型閉速度によって左右されます。 金型は、質量がありますので、無闇に型閉速度を早くしすぎますと、金型が閉じる時に運動エネルギーにより金型が破損する可能性がありますから、ブレーキをかけることを考える必要があります。 2.充填時間 充填時間は、スプルーから流入した溶融樹脂がキャビティの中を完全に充填するまでの時間です。 充填時間は、射出成形機の射出速度(実際には、射出スクリューまたはピストンの移動速度と射出シリンダー直径によって決まる、射出体積/時間=射出率(cm3/sec))によって左右されます。 また、溶融樹脂の粘度によっても左右されます。充填時間が短いと樹脂の充填速度が速くなりすぎて、樹脂焼けやガスを発生させることがあります。一方、充填時間が長すぎると成形品の表面にフローマークやウエルドが明瞭に現れてしまうことがあります。タグ:
- 射出成形加工の生産能率を評価する指標の一つとして、「成形サイクル」が挙げられます。 成形サイクルとは、1回の射出成形加工が開始してから終了するまでの単位時間のことを指します。 具体的には、成形サイクルは、下記の構成をなしています。 成形サイクル(sec/ショット)= 型閉時間 +充填時間 +保圧時間 +冷却時間(可塑化時間を含む) +型開時間 +取り出し時間 成形サイクルが短いほど、単位時間当たりの成形品生産量を大きくすることができます。 例題 成形サイクルが現在10秒の金型があった。金型の冷却回路を工夫することにより、冷却効率が高められ、冷却時間が短くなり、結果的に成形サイクルは、9秒にすることができた。 この場合、どのようなことが考えられるか?タグ: