ドライプロセスを実施するには、真空系をつくる必要があります。真空系は、真空容器、真空ポンプ、真空計などで構成されます。
真空容器は、表面処理するワークの大きさや処理量、成膜する元素・化合物の供給源、電極など、容器内に設置しなければならない装置の占める容積から決められますが、材質は真空漏れのない緻密な構造で、表面にガスなどを吸着しないような鏡面状平滑面が求められます。
真空ポンプは、「特定の空間(真空容器)から気体を排除する装置」と定義されていますが、その動作原理から、いろいろな種類のものがあります。【表1】に、主な真空ポンプの作動範囲を示しました。
【表1】主な真空ポンプの作動範囲
表から分かるように、一つのポンプで広範囲の真空領域を確保できるものはありませんので、通常、次のように幾つかのポンプを組み合わせて目的の真空を得ています。
1. | ウェット系(油使用) 油回転ポンプ(2段)→油拡散ポンプ→液体窒素トラップの組み合わせで10-6〜10-8Paが得られています。 |
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2. | ドライ系(油不使用) ソーブションポンプ→スパッタイオンポンプ→チタンサブリメーションポンプの組み合わせで10-6〜10-9Paが得られています。 |