今回は、熱輻射の基礎を説明します。
- 光よりも少し波長の長い赤外線がもたらす熱量が輻射熱です。
- 物体の表面より輻射される全輻射熱は、その表面の絶対温度の4乗に比例することが発見されました。(発見者 :Ludwig Boltsmann,Josef Stefan)
- 輻射熱を100%放出または吸収する理想的な表面を完全黒体と呼び、完全黒体からの全輻射熱流qb/Sは、次式で現されます。
qb/S=σ・T4
- σ
- :ステファン-ボルツマンの定数
- σ
- =4.88×10-8(kcal/m2・h・K4)
- ここで、輻射率ε=qs/qbという概念を導入します。 輻射率εは、実際の表面から輻射される熱流qsと完全黒体から輻射される熱流qbとの比になります。
- 実際の表面から輻射される熱流は次式で現されます。
qs/S=εσT4
主な物質の輻射率εは次の通りです。
- 磨いた炭素鋼 :0.145~0.375
- 錆びた炭素鋼 :0.75~0.95
- 磨いたアルミニウム :0.04~0.058
- 酸化したアルミニウム:0.1~0.12
- 水 :0.95~0.96