今回は、まず、熱伝導の基礎について説明します。
◎厚さl(m、面積S(m2)の壁において、壁の両面の温度がt1(℃)、t2(℃)で時間的に変化しない場合を考えます。
◎この壁面から放出される熱量 Q(kcal) は、面積S、温度差t1-t2 、時間τに比例します。
◎したがって、Qは次式で表現できることになります。
Q=-λ・S・(t1-t2)・τ/l…(式1)
λ:熱伝導率(kcal/m・h・℃)
さらにこれを微分の形にすると、
dQ/dτ=q=-λ・Sdt/dx…(式2)
λ:熱伝導率(kcal/m・h・℃)
となります。
*式2をフーリエの法則と呼びます。
以下に主な物質の熱伝導率λを示します。
- ・水
- :0.475(kcal/m・h・℃)
- ・空気
- :0.021
- ・炭素鋼
- :39
- ・ニッケル21% 鋼
- :24
- ・銅
- :332
- ・アルミニウム
- :197
次に、対流熱伝達の基礎について説明します。
*壁から流体へ、または流体から壁への熱の移動は対流による熱伝達によって行われます。
*ボイラーやラジエータ、金型の冷却水による熱伝達は、全てこの現象によって熱の移動が起きています。
*対流による熱伝達の基本式は、ニュートンの冷却の法則と呼ばれ、次式で現されます。
q=α・S・(ts-tf)
- q
- :伝達熱量(kcal)
- α
- :(kcal/m2・h・℃)
- S
- :表面積(m2)
- ts
- :壁面の温度(℃)
- tf
- :壁面から十分に離れた流体の温度(℃)