ボルト締結体に外力が作用してボルトがゆるんだり、ボルトが破断する場合のモデルについての基礎を解説します。
(1)ボルト締結体に外力が作用した時の力のつりあい
- a)
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【図1】のボルト締結体に外力F'が作用した時のつりあい状態から、次の2つの式が出せます。
力のつりあい式より・・・ボルトに作用する合力 FB=F'+Fc
力とばね定数と伸びの関係より・・・伸び ε=(FB-F0)÷KB=(F0-FC)÷KC上の2式からボルトに作用する合力 FBを求めると次式となり、外力が作用しない状態の初期軸力F0に外力F'の{ KB÷(KB+Kc)}倍の力が増大したことがわかります。
ボルトに作用する合力 FB=F0+KB÷(KB+KC)F' ・・・・・(1) 式(1)を締付け線図で表現すると【図2】となります。
- b)
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【図2】において、FB Fcの線を縦軸に平行に移動した時、Fcが点Cと一致する状態は、「被締結体の圧縮力がゼロとなる状態=ボルト締結力が作用しなくなった状態=2個の締結体が離れる瞬間の状態」を意味します。
- c)
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したがって、【図3】より、初期軸力Foで締め付けられた締結体の軸力が効かなくなる外力(F')は、被締結体の圧縮力を弱める力Fc'=Foとなるときといえます。