(1)鋼製ボルトの機械的性質
(1)鋼製ボルトの機械的性質
ISO並びにJISでは、ボルトの機械的性質を強度区分の数値で表現します。【表1】はISO 898-1:1998の一部です。
【表1】鋼製ボルトの機械的性質(ISO898-1:1998より抜粋)
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(2)表中の強度区分の数値の読み方
最初の数字は、最小引張り強さの呼びの値の1/100を表します。
2番目の数字は、引張り強さに対する降伏強さ(降伏点または耐力)の比を表している。
■例:強度区分10.9について
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(3)機械的性質の各項目
最小引張り強さ ボルトが耐えられる最大荷重を示す
呼び径3mm以上、呼び長さ2.5d以上のボルトが対象
降伏強さ ボルトが塑性変形を起こさず耐えうる最大荷重を示す
延性 ボルトが破壊するまでの塑性変形量の多さを表す
(2)鋼製ナットの機械的性質
- ナットの強度区分の表し方は、ねじの呼び径に応じた保証荷重応力値で表現されます(【表2】参照)。組み合わせるボルトの強度区分に対応したナット強度を選定します。
- 【表2】の強度区分8のナットと強度区分8.8の鋼製ボルトとを対で使用することで、ボルトとナットのかみあいねじ部(ねじ山の部分)が破壊せずに、ボルトの軸部が破断するような強度で設計されています。
- 【表2】中のスタイルの数字:
スタイル:1 → 材料強度が比較的高く、ナット高さが0.8d〜0.9d程度のナットを表します。
スタイル:2 → 材料強度が比較的低く、ナット高さが1d程度のナットを表します。
【表2】鋼製ナット(並目)の機械的性質(ISO898-1:1998より抜粋
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