ねじ山が壊れるトラブルの代表例として、次のような事例があります。
(1)ねじ山が壊れるトラブルの代表例
タップ側
頻繁にボルトの取り外しを必要とする箇所では、タップ入口部分のねじ山が壊れてボルトが入っていかなくなる。このような場合は、タップ切りで丁寧に入口部分のみ新たにタップを切って、元から有ったタップに繋がせれば良いが、ボルト側を無理にねじ混むことで内部のねじ山もつぶれて、めねじがバカになるトラブルがあります。
ボルト側
ボルトをナットで締結している場合、ナットから出ているボルトのねじ部に何かをぶつける等の事故で、ねじ山がつぶれると、ナットが取れなくなり、したがって、解体できなくなるトラブルに繋がります。
(2)事例を防ぐねじの前処理の小技(コワザ)
タップの場合:(【図1】参照)
- めねじ挿入部をテーパ形状に加工して、ボルトが垂直にねじ込まれるようなガイド形状を持たせる。
- めねじ径より一回り大きい寸法のドリルで、軽くエッジ部をさらう程度でも効果が得られる。
- 特に、めねじを加工している材料が弱い場合(アルミ材、焼入れ処理されていない鋼材など)は、丁寧に設計指示する必要がある。
ボルト側の場合:(【図2】参照)
- ナットから出ているボルトのねじ山部をスムーズに削り取る。
- 事前にボルト側を前加工して、ナットからでる部分のねじ山を除去加工するなど。
- また、不必要にボルトを長く突き出さないこと。