射出速度
- 1.冷却時間 プラスチック射出成形条件における冷却時間は、成形品を金型内で固化させておく時間のことです。保圧が終了すると冷却時間に切り替わります。単位はs(秒)です。 冷却時間が短すぎると収縮が大きくなり寸法が小さくなってしまい、突き出し時に変形してしまう場合もあります。 一方、冷却時間が長いと成形サイクルが長くなり生産性が低下します、つまり成形品の加工コストが上昇することになります。冷却時間は成形サイクルの要素の中で最も支配率が大きな要素なので成形サイクルを短縮するためには冷却時間をいかに短くできるかが重要な鍵を握っています。 2.計量位置 計量位置は、スクリューやプランジャーが射出に必要な体積の樹脂を計量するための位置のことです。単位はmmです。 計量位置が短すぎると充填不良が生じます。計量位置が長すぎるとシリンダー内に余分な樹脂が滞留して焼けが発生したり、ガスが発生する場合があります。計量位置は成形品の射出体積を考慮して少なすぎず、多すぎない妥当な分量の樹脂を毎回計量できる位置を最善とします。
- 1.充填圧力 プラスチック射出成形条件において、充填圧力は、樹脂を金型内へ充填させるための圧力のことで、一次圧力とも呼ばれています。単位は、MPa、またはkgf/cm2です。つまり、圧力の単位となります。射出成形機の最大射出圧力を100%としてその何%であるかを変化させて条件調整をする機械もあります。(例:35%) 充填圧力が低すぎる場合には充填不良(ショートショット)が発生します。充填圧力が高すぎる場合にはパーティング面が圧力で瞬間的に開いてしまい成形品の周囲にバリが発生する場合もあります。また金型からの離型不良が生ずる場合もあります。 2.射出速度 射出速度は、金型内へ溶融したプラスチックを充填する際のスピードのことです。単位はmm/sとなります。 単位時間あたりの射出体積として考えた場合には「射出率」として表示する場合もあります、この場合には単位はcm3/sとなります。 射出速度が遅すぎる場合には充填不良が発生する場合があり、射出速度が速すぎる場合にはバリ、ジェッティング(成形品表面に蛇行した模様が発生する不良)が発生する場合があります。