真空システムをどのように構築するかは、その目的によって異なります。その一例として、油拡散ポンプ排気系を【図1】に示します。
運転の手順は、まず「あらびきバルブ」を開いて、油回転ポンプを運転します。あらびきとは、「本びき」も対応した用語で、予備排気として大部分の空気を真空容器から抜くという意味です。105Paの大気圧から1〜10-2Paの真空にします。これに要する時間は、大体5〜6分です。
ついで補助バルブを開き、あらびきバルブを閉じて、真空容器→油拡散ポンプ→油回転ポンプ→大気へ放出の回路をつくります。(油拡散ポンプ油ボイラーの予熱時間に15〜30分が必要です。)
容器内の圧力と所要時間の排気曲線の一例を【図2】に示しました。この【図】は、あらびき以後の圧力変化を示しております。 |
真空の尺度と応用面を、【図3】に示しました。ドライシステムの表面処理には、真空だけが必要なものと、一旦高度な真空にした後、必要なガスを通気しながら処理するものとがあります。